膀胱尿路上皮癌の特徴|第104回医師国家試験A37

第104回医師国家試験 A37(2010年)

正答:d・e

問題

67歳の男性。凝血塊を伴う肉眼的血尿を主訴に来院した。膀胱内視鏡写真(別冊No.16)を別に示す。

この疾患で正しいのはどれか。2つ選べ。

a.家族性発生が多い。

b.夜間頻尿を合併する。

c.扁平上皮から発生する。

d.染料と因果関係がある。

e.尿路で多中心性に発生する。

別冊No.16 膀胱内視鏡写真。赤みを帯びた粘膜に乳頭状で粒状の隆起性腫瘍がみられる。
別冊No.16 / 出典:厚生労働省・第104回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

高齢男性の凝血塊を伴う肉眼的血尿で、内視鏡で乳頭状の腫瘍がみられるので膀胱癌です。大部分は移行上皮(尿路上皮)癌で、喫煙と芳香族アミンなどの職業曝露が危険因子です。尿路上皮は腎盂から近位尿道まで続き、どこからも発生し得るので多発や再発が問題になります。公式正答はd・eです。

画像の見方

赤みを帯びた膀胱粘膜に、表面が粒状の隆起性病変が広がっています。乳頭状の膀胱腫瘍を考えます。

各選択肢の検討

a.家族性発生が多い。誤り。家族歴や遺伝子変異は危険因子に含まれますが、主な要因は加齢、喫煙、職業曝露で、家族性が多い癌ではありません。

b.夜間頻尿を合併する。誤り。初発は血尿が多く、頻尿などの刺激症状は起こり得ますが、夜間頻尿の合併を特徴とする病気ではありません。

c.扁平上皮から発生する。誤り。90 %超が移行上皮癌です。扁平上皮癌は住血吸虫症や慢性刺激に関連する少数例です。

d.染料と因果関係がある。正しい。アニリン色素に関連するナフチルアミンやベンジジンなどの芳香族アミンが職業性の原因物質です。

e.尿路で多中心性に発生する。正しい。腎盂から近位尿道まで同じ上皮が続き、どの部位にも発生し得ます。膀胱の上皮内癌も多巣性で再発しやすい病変です。

覚えるポイント

膀胱癌は尿路上皮癌が大部分。喫煙と芳香族アミンが危険因子で、尿路に多発・再発する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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