胃粘膜下腫瘍の造影所見|第104回医師国家試験A22

第104回医師国家試験 A22(2010年)

正答:c

問題

64歳の男性。上腹部の不快感を主訴に来院した。血液所見:赤血球385万、Hb 10.6 g/dl、Ht 32 %、白血球8,600、血小板24万。免疫学所見:CRP 0.2 mg/dl、CEA 3.5 ng/dl(基準5以下)。上部消化管造影写真(別冊No.4)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

a.胃憩室

b.胃ポリープ

c.胃粘膜下腫瘍

d.胃癌

e.胃巨大皺襞症

別冊No.4 上部消化管造影写真。胃内腔に輪郭平滑な半球状の陰影欠損がある。
別冊No.4 / 出典:厚生労働省・第104回A別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

造影写真では胃内腔に、輪郭のなめらかな半球状の陰影欠損がみられます。表面の粘膜が保たれた壁内の隆起と読めるため、胃粘膜下腫瘍が最も考えられます。代表はGISTで、バリウム検査では正常な粘膜面と球状の隆起をもつ粘膜下腫瘍として描出されます。軽い貧血とCEA基準内は、この問題で疾患を決める決め手にはなりません。なお現在は内視鏡と断層画像が検査の中心です。

画像の見方

造影剤で満たされた胃の内腔に、境界が明瞭でなめらかな半球状の陰影欠損がみられます。明らかな潰瘍の造影剤貯留や不整な粘膜像は目立ちません。

各選択肢の検討

a.胃憩室。誤り。憩室は胃壁の外へ向かう袋状の突出で、内腔の外に造影剤がたまる形になります。本例は内腔へ突き出す陰影欠損で、向きが逆です。

b.胃ポリープ。誤り。粘膜から生じる隆起で、粘膜下の腫瘍とは発生の場が異なります。本例の大きくなめらかな半球状の欠損は、粘膜に覆われた壁内の隆起に合います。

c.胃粘膜下腫瘍。正しい。正常な粘膜に覆われた球状の隆起として写るのが粘膜下腫瘍の特徴で、本例のなめらかな陰影欠損に一致します。

d.胃癌。誤り。胃癌は隆起型、潰瘍型、表層拡大型、びまん浸潤型などの形をとります。この写真では潰瘍の造影剤貯留や不整な粘膜像が目立ちません。ただし造影写真1枚で隆起型の癌を完全に否定はできず、内視鏡と生検で確かめます。

e.胃巨大皺襞症。誤り。胃体部や底部のひだが広範に巨大化する病態で、限局した1個の半球状欠損とは形が異なります。

覚えるポイント

平滑な半球状の陰影欠損は粘膜下腫瘍を考える。憩室は外への突出、癌は潰瘍や不整な粘膜像を手がかりに区別する。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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