日本の心臓移植の現状(2010年)|第104回医師国家試験A6

第104回医師国家試験 A6(2010年)

正答:e

問題

我が国における心臓移植の現状について正しいのはどれか。

a.待機期間が短い。

b.対象は若年者に限られている。

c.施行数は急速に増加している。

d.最も多い原疾患は虚血性心筋症である。

e.移植前、強心薬治療と補助人工心臓装着とを受けている。

正答の理由

日本の心臓移植はドナー不足で待機が長く、補助人工心臓で循環を支えながら待つ例が中心でした。公式正答はeです。厚労省資料の図では2008・2009年の移植は全例が移植直前に補助人工心臓を装着していました。一方、同じ図には強心薬投与のみの例やstatus 2の例もあり、補助人工心臓例に強心薬が併用されたかはこの図から分かりません。eは全例が両方を受けるという意味ではなく、強心薬でも支えきれない重症例が補助人工心臓を経て移植に至るという趣旨で理解します。cは2010年時点の判断で、2010年7月の改正法施行後は件数が増えた点を区別します。

各選択肢の検討

a.待機期間が短い。誤り。厚労省資料の図(読み取り値)では、status 1の平均待機期間は2005年以降おおむね800〜1000日で推移しています。ドナー不足による長期待機が課題で、補助人工心臓が移植までの橋渡しに使われるのもそのためです。

b.対象は若年者に限られている。誤り。日本循環器学会の適応基準(2013年2月付の保存版および現行)は「65歳未満が望ましい」で、若年者に限定していません。出題当時の年齢基準の原文は確認できていませんが、若年者限定の基準を示す資料も確認していません。

c.施行数は急速に増加している。出題当時の記述としては誤り。改正法施行前の累積は69例で、図では2009年も年間6例でした。施行後は2010年に23例となり、2014年末までに153例と増え、その後も増加したので、現在の状況としては当てはまる面があります。

d.最も多い原疾患は虚血性心筋症である。誤り。最多は拡張型心筋症で、2018年末までの428例では302例(71%)でした。欧米の成人で虚血性が多いことと区別します。

e.移植前、強心薬治療と補助人工心臓装着とを受けている。正しい(公式正答)。薬物治療で支えきれない重症心不全が待機し、補助人工心臓を装着して待つ例が大半です。図には強心薬投与のみの例もあるので、「全例が両方」と読むと厳密には言い過ぎです。

覚えるポイント

日本はドナー不足で長期待機、橋渡しに補助人工心臓。原疾患は拡張型心筋症が最多。2010年の法改正後に件数増加。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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