覚せい剤精神病の特徴|第104回医師国家試験A5

第104回医師国家試験 A5(2010年)

正答:c・d

問題

覚せい剤精神病でみられるのはどれか。2つ選べ。

a.意識変容

b.通過症候群

c.逆耐性現象

d.フラッシュバック現象

e.レム〈REM〉睡眠行動障害

正答の理由

覚せい剤の慢性使用では幻覚や被害妄想が生じ、断薬後もストレスや飲酒、少量の再使用で再燃します。公的資料はこの自然再燃をフラッシュバックと呼びます。少量の再使用で精神病状態が再燃する現象は、感作(sensitization)または逆耐性と呼ばれます。公式正答はc・dです。

各選択肢の検討

a.意識変容。公式正答ではない。精神作用物質による精神病性障害についてICD-10は、意識は通常清明で、重い錯乱に至らない程度の混濁はありうるとしています。中心は意識が保たれた状態での幻覚・妄想です。ただし急性中毒では興奮性せん妄が起こりうるので、覚せい剤使用で意識障害が絶対に起きないとは言えません。

b.通過症候群。誤り。Wieckが脳挫傷の回復過程から提唱した、意識混濁のない回復可能な外因性精神病像です。外傷後などの状態形式を指す語で、覚せい剤精神病に特徴的な現象ではありません。

c.逆耐性現象。正しい。長い断薬の後でも、ごく少量の再使用で精神病状態が再燃する現象で、感作(sensitization)とも呼ばれます。長く続く神経生物学的な脆弱性と考えられています。

d.フラッシュバック現象。正しい。回復して見えても、ストレスや飲酒をきっかけに幻覚・妄想が突然再燃します。再発しやすい下地が残ることを示します。

e.レム〈REM〉睡眠行動障害。誤り。REM睡眠時の筋緊張低下が失われて夢を行動化する病態で、高齢者やParkinson病などの変性疾患に多く、覚せい剤精神病の所見ではありません。

覚えるポイント

覚せい剤精神病は幻覚・妄想が前景。少量で再燃する逆耐性と、ストレスでも再燃するフラッシュバックが要点。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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