咽頭炎で抗菌薬を考える所見|第103回医師国家試験H24

第103回医師国家試験 H24(2009年)

正答:b

問題

32歳の女性。咽頭痛と発熱とを主訴に来院した。2日前から咽頭痛が出現し、本日朝には発熱も加わった。

抗菌薬投与を考えるのはどれか。

咳 鼻 汁 体温(℃) 扁桃腫大/白苔 リンパ節腫脹
a - - 38.6 +/- +(全身)
b - - 38.6 +/+ +(頸部)
c + + 37.4 -/- +(頸部)
d + + 38.6 -/- -
e + - 37.4 -/- -

正答の理由

A群β溶血性レンサ球菌(GABHS)を疑う修飾Centor基準は、発熱の既往、扁桃の滲出物、咳がない、圧痛のある前頸部リンパ節腫脹です。bは表の範囲で4項目すべてに合い(リンパ節の圧痛の有無と部位の詳細は表に記載なし)、3〜4項目は検査または経験的治療の対象です。公式正答はbです。なお現在は迅速抗原検査や培養で確かめてから投与する考え方も併用します。

各選択肢の検討

a.咳と鼻汁はなく発熱がありますが、白苔はなく全身のリンパ節腫脹があります。全身のリンパ節腫脹は伝染性単核球症を示唆し、抗菌薬で治す病態とは限りません。

b.咳と鼻汁がなく、38.6℃の発熱、扁桃腫大と白苔、頸部リンパ節腫脹がそろいます。GABHSの可能性が最も高く、抗菌薬を考えます。

c.咳と鼻汁があり、微熱で扁桃所見もありません。咳と鼻汁はウイルス性を示唆し、頸部リンパ節腫脹だけでは抗菌薬の根拠になりません。

d.38.6℃の発熱はありますが、咳と鼻汁があり扁桃所見もリンパ節腫脹もありません。ウイルス性上気道炎に合います。

e.咳があり微熱で、扁桃所見もリンパ節腫脹もありません。修飾Centor基準を満たす項目が乏しく、検査の対象にもなりにくい例です。

覚えるポイント

発熱・白苔・咳なし・前頸部リンパ節がそろえば溶連菌を疑う。鼻汁と咳はウイルス寄り、全身のリンパ節腫脹は伝染性単核球症を考える。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第103回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました