第103回医師国家試験 H17(2009年)
正答:b
問題
抑うつ状態や引きこもりにならないような定年後の生活設計を考えて、在職時から心がけておくとよいのはどれか。
a.職場の後継者づくり
b.近所付き合いや仲間づくり
c.ストレスになる仕事の回避
d.管理業務のマニュアル整備
e.定年まで限られた期間をさらに仕事に励むこと
正答の理由
WHOは、孤立と孤独を高齢期の精神疾患の主要な危険因子とし、退職に伴う収入や生きがいの減少をストレス因に挙げ、社会的つながりが重要としています。学会抄録の文献レビューでも、準備不足の人、仕事が地位と人間関係の主な源だった人、職場の外のつながりが乏しい人が退職後の抑うつや孤立に陥りやすいとされます。在職中の仲間づくりの効果を直接検証した資料は確認できていませんが、選択肢の中でこの危険因子に直接向き合うのはbです。公式正答はbです。
各選択肢の検討
a.職場の後継者づくり。誤り。職場には役立ちますが、退職後の本人の居場所やつながりは増えません。
b.近所付き合いや仲間づくり。正しい。職場の外の社会的なつながりを作る準備で、孤立と孤独という危険因子に向き合う行動です。
c.ストレスになる仕事の回避。誤り。在職中の負担を減らしても、退職後の生活の準備にはなりません。
d.管理業務のマニュアル整備。誤り。職場内の引き継ぎの話で、退職後の生活設計ではありません。
e.定年まで限られた期間をさらに仕事に励むこと。誤り。仕事だけが地位と交流の源になると、退職後の喪失が大きくなりやすいとされます。
覚えるポイント
定年後の孤立予防は、職場の外のつながりを在職中に作ること。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Mental health of older adults (WHO Fact sheet)
- Post-retirement mental health: Risk factors and preventive strategies for isolation and depression
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。