胎児循環の酸素分圧|第103回医師国家試験H11

第103回医師国家試験 H11(2009年)

正答:e

問題

胎児循環で酸素分圧が最も高いのはどれか。

a.右心室

b.動脈管

c.上行大動脈

d.下行大動脈

e.Arantius静脈管

正答の理由

胎児では胎盤で酸素化された血液が臍帯静脈を通り、肝臓の高さで一部が肝循環へ、残りがArantius静脈管(静脈管)へ入ります。臍帯静脈血は胎児循環で最も酸素飽和度が高く、総説の推定で70〜80%、PO2 32〜35 torrです。静脈管自体の実測値は確認できていませんが、静脈管は臍帯静脈の分枝で、体静脈血と合流する前の血液が流れるので、選択肢の中で最も高いと判断できます。公式正答はeです。

各選択肢の検討

a.右心室。誤り。上大静脈からの還流などが多く混ざるので酸素は少なめです。右心側は推定55%、PO2 20〜22 torrです。MRI報告でも主肺動脈の飽和度は約49%でした。

b.動脈管。誤り。右室から肺動脈へ出た血液が大動脈へ抜ける経路で、酸素の少ない血液が流れます。

c.上行大動脈。誤り。卵円孔経由の酸素の多い血液が左室から出るので高めですが、左心側は推定65%、PO2 26〜28 torrです。MRI報告でも上行大動脈約68%で、臍帯静脈約85%には及びません。

d.下行大動脈。誤り。動脈管からの血液が合流して酸素は下がり、推定60%、MRI報告で約57%でした。

e.Arantius静脈管。正しい。臍帯静脈から分かれ、酸素を多く含む血液を肝臓を迂回して心臓側へ送ります。実測値は未確認で、臍帯静脈の値に近いとみた判断です。

覚えるポイント

胎児で酸素が最も多いのは臍帯静脈→静脈管の血液。合流のたびに下がる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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