ICF:参加制約|第103回医師国家試験H8

第103回医師国家試験 H8(2009年)

正答:d

問題

難聴のある人が、検査時の指示が聞き取りにくいため上部消化管造影による胃がん検診を受けていない。

検診を受けていないこの状態はどれか。

a.機能障害

b.能力低下

c.QOL〈quality of life〉低下

d.参加制約(社会的不利)

e.バリアフリー化不備

正答の理由

ICFでは、心身機能の問題を機能障害、活動を行うときの難しさを活動制限、生活・人生場面に関わるときの難しさを参加制約と呼びます。この事例を当てはめると、難聴が機能障害、指示の聞き取りにくさが活動の難しさ、検診という社会の場面に関われないことが参加制約です。公式正答はdです。

各選択肢の検討

a.機能障害。誤り。聴覚機能の問題である難聴そのものを指す語で、検診を受けていない状態ではありません。

b.能力低下。誤り。旧分類(ICIDH)のdisability(厚生労働省の訳では能力障害)に対応する語で、ICFの活動制限に近い概念です。この事例では指示が聞き取りにくい部分にあたります。

c.QOL〈quality of life〉低下。誤り。生活の質全体を表す広い語で、ここで問われる障害の階層の名前ではありません。

d.参加制約(社会的不利)。正しい。生活場面である検診に関われない難しさです。括弧の社会的不利はICIDHでの呼び名です。

e.バリアフリー化不備。誤り。ICFで環境因子として捉える側で、参加を妨げる要因にあたり、未受診という状態そのものではありません。

覚えるポイント

機能障害→活動制限→参加制約の順に事例へ当てはめる。環境は別枠の環境因子。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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