第103回医師国家試験 H5(2009年)
正答:d
問題
食事療法において、関心はあるが現実の行動が変容していない患者に対するアプローチとして最も適切なのはどれか。
a.頑張るように促す。
b.食事の問題点を指摘する。
c.家族のサポートを強化する。
d.食事療法についての考えを聞く。
e.食事療法の重要性を繰り返し説明する。
正答の理由
関心はあるが行動していない段階は、行動変容ステージモデルの関心期にあたります。関心期では、変わった自分と今の自分を見比べる「自己の再評価」が先へ進む手がかりとされます。「考えを聞く」こと自体は資料に載っていませんが、一方的に言い聞かせるより、本人の考えや迷いを聞く方がこの段階に合うと考えます。なお資料の働きかけは禁煙研究の知見を運動に当てはめた例で、食事への適用は同じ考え方によります。公式正答はdです。
各選択肢の検討
a.頑張るように促す。誤り。何が行動を妨げているのかが分からないまま励ましても、本人の再評価につながりにくい対応です。
b.食事の問題点を指摘する。誤り。問題に気づいてもらう働きかけは無関心期向きで、すでに関心のある人には本人の考えを引き出す方が先です。
c.家族のサポートを強化する。誤り。周囲の援助の活用は実行期・維持期の働きかけとして整理されています。
d.食事療法についての考えを聞く。正しい。本人の認識や懸念を聞くことは、自己の再評価と次の段階への準備につながると考えられます。
e.食事療法の重要性を繰り返し説明する。誤り。メリットを知らせる働きかけは無関心期向きで、関心のある人に繰り返しても行動の妨げは見えてきません。
覚えるポイント
関心はあるが未実行=関心期。指導の前に本人の考えを聞く。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。