記憶障害を伴わない症候|第103回医師国家試験G69

第103回医師国家試験 G69(2009年)

正答:g

問題

記憶障害を認めないのはどれか。

a.脳振盪

b.全般発作

c.もうろう状態

d.アルコール離脱

e.Korsakoff症候群

f.解離性同一性障害

g.させられ〈作為〉体験

h.複雑部分発作〈精神運動発作〉

正答の理由

させられ(作為)体験は、自分の考えや行動が外から操られると感じる統合失調症の症状で、自我意識の障害に当たります。起きた出来事を覚えられないという症状ではありません。他の選択肢は、いずれも健忘か、意識障害に伴う記憶の欠落を生じます。公式正答はgです。なお統合失調症全体では認知機能障害の一つとして記憶の低下もありえますが、させられ体験そのものは記憶障害ではありません。

各選択肢の検討

a.脳振盪。認める。意識消失や記憶障害を伴う一過性の変化で、受傷前後の健忘が起こります。

b.全般発作。認める。多くは意識を失い、患者は通常その発作を覚えていません。

c.もうろう状態。認める。意識障害の一つで、意識野が狭まり、回復後にその間の健忘を残します。

d.アルコール離脱。認める。離脱が重く振戦せん妄に至ると錯乱と失見当識が起こり、記憶も障害されます。

e.Korsakoff症候群。認める。チアミン欠乏による記憶と学習の障害が中心です。

f.解離性同一性障害。認める。別の同一性のときの出来事を思い出せない非対称性の健忘が特徴です。

g.させられ〈作為〉体験。認めない(正答)。外から操られる体験で、自我意識の障害です。

h.複雑部分発作〈精神運動発作〉。認める。意識障害を伴う焦点発作で、発作後の健忘がよくみられます。

覚えるポイント

させられ体験は自我意識の障害で、記憶障害ではない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第103回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました