ヘモグロビン酸素解離曲線の右方移動|第103回医師国家試験G10

第103回医師国家試験 G10(2009年)

正答:d

問題

ヘモグロビン酸素解離曲線が右へシフトするのはどれか。

a.H⁺濃度の低下

b.Na⁺濃度の上昇

c.Cl⁻濃度の上昇

d.CO₂濃度の上昇

e.2,3-DPG濃度の低下

正答の理由

酸素解離曲線は、PCO₂上昇、アシドーシス(H⁺増加)、体温上昇、赤血球内2,3-DPG増加で右へ移動し、同じ酸素分圧での飽和度が下がります。代謝の盛んな組織で酸素を放しやすくする変化です。PCO₂による移動はBohr効果と呼ばれ、多くは随伴する酸性化を介します。公式正答はdです。

各選択肢の検討

a.H⁺濃度の低下。誤り。pH上昇にあたり、酸素親和性は上がる方向で、曲線は左へ移動します。右方移動はH⁺増加のときです。

b.Na⁺濃度の上昇。誤り。曲線の位置を決める因子として挙げられるのはPCO₂、pH、体温、2,3-DPGで、Na⁺は含まれません。

c.Cl⁻濃度の上昇。本問の正解ではありません。右方移動の代表的因子には挙げられませんが、生化学的にはCl⁻はデオキシ型ヘモグロビンのT構造を安定させて酸素親和性を下げるアロステリック因子として報告されており、右方移動を「全く起こさない」とまでは言えません。臨床で扱う代表的因子として1つ選ぶならCO₂です。

d.CO₂濃度の上昇。正しい。PCO₂上昇で曲線は右へ移動し、組織での酸素の放出を助けます(Bohr効果)。

e.2,3-DPG濃度の低下。誤り。2,3-DPGはデオキシヘモグロビンに結合し、増加で右方移動します。低下は逆方向です。

覚えるポイント

右方移動はCO₂上昇、H⁺増加、体温上昇、2,3-DPG増加で起こる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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