医療安全と臨床試験の基本用語|第103回医師国家試験F12

第103回医師国家試験 F12(2009年)

正答:d

問題

正しいのはどれか。

a.医療事故では医療側にのみ過失がある。

b.臨床試験では治験審査委員会を施設外に設ける。

c.インシデントレポートの提出は医療過誤に限られる。

d.インフォームドコンセントは自己決定権行使の前提となる。

e.GCP(good clinical practice)とは治療成績が良好な治療のことである。

正答の理由

患者が自分で決めるには、自分の病状や治療の結果について説明を受けることが欠かせません。リスボン宣言は自己決定の権利を掲げ、医師は決定のもたらす結果を知らせるとしています。インフォームドコンセントは、この権利を行使するための土台になるので、公式正答はdです。

各選択肢の検討

a.医療事故では医療側にのみ過失がある。誤り。厚生省の指針は、医療事故を過誤・過失の有無を問わない人身事故と定義しており、医療側の過失を前提にしていません。

b.臨床試験では治験審査委員会を施設外に設ける。誤り。GCP省令第27条は、実施医療機関の長が設置した委員会も認めており、施設外に限りません。出題前の2008年4月施行の改正でも「実施医療機関の長が設置した治験審査委員会」が明記され、それ以前は医療機関ごとの設置が原則でした。

c.インシデントレポートの提出は医療過誤に限られる。誤り。指針は、患者に被害がなかったヒヤリ・ハット事例についても報告体制を求めており、報告の対象は医療過誤に限られません。指針の語は「ヒヤリ・ハット」で、インシデントレポートという語ではありません。

d.インフォームドコンセントは自己決定権行使の前提となる。正しい。十分な情報と説明があって、はじめて自分で決められます。

e.GCP(good clinical practice)とは治療成績が良好な治療のことである。誤り。GCPは「医薬品の臨床試験の実施の基準」で、被験者の保護と試験の信頼性を確保する基準です。

覚えるポイント

医療事故は過失の有無を問わない。GCPは治験の実施基準。説明と同意は自己決定の土台。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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