第103回医師国家試験 F1(2009年)
正答:e
問題
年齢による体組織の変化を図(別冊No. 1)に示す。
このような変化がみられるのはどれか。
a.骨格筋
b.脂肪
c.神経
d.脈管
e.骨

正答の理由
図は、20歳頃にピーク値(100%)へ達し、40歳頃まで保たれたのち低下する曲線で、ピーク値に対して80%と70%の線で「正常」「量減少」「合併症危険域」に分けています。日本のガイドラインは、骨量は思春期から増加して20歳頃に最大骨量へ達し、40歳代半ば頃まで保たれたのち減少すると説明し、骨密度は若年成人平均値(YAM)の80%と70%を区切りに評価します。この経過と区切りに合うのは骨で、公式正答はeです。なお、図の基準はピーク値に対する割合で、診断基準のYAMそのものではありません。脆弱性骨折がない例の骨粗鬆症の基準は2000年度版でYAM 70%未満、2012年度改訂以降は70%以下または−2.5 SD以下です。
画像の見方
0歳付近の70%未満(点線)から直線的に増え、20歳で100%に達して40歳まで平坦。40歳以降は傾きの異なる3本の矢印で低下し、右に正常(80%以上)、量減少(70〜80%)、合併症危険域(70%未満)の区分がある。「個人のピーク値」の注記がある。組織名は図に書かれていない。
各選択肢の検討
a.骨格筋。誤り。筋量と筋力は30歳頃から低下していくとされ、40歳頃まで平坦な図の経過と合いません。また、80%・70%で区切る評価は読んだ資料にありません。
b.脂肪。誤り。体脂肪の割合は若年期より75歳頃で明らかに増えるとされ、図の低下と逆です。
c.神経。誤り。加齢で脳の神経細胞数は減る傾向がありますが、20歳でピークに達して80%・70%で段階分けする指標ではありません。
d.脈管。誤り。加齢変化の中心は心臓や血管が硬くなることです。図のような「量」の低下と区切りでは説明されません。
e.骨。正しい。20歳頃に最大骨量へ達し、40歳代半ば頃から減少します。80%・70%の区切りも骨密度の評価と対応します。
覚えるポイント
骨量は20歳頃に最大、40歳代半ば頃まで維持後に減少。骨密度はYAM 80%・70%が区切り。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会)
- Changes in the Body With Aging – MSD Manual Consumer Version
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。