幼児の滲出性中耳炎の検査|第103回医師国家試験E58

第103回医師国家試験 E58(2009年)

正答:e

問題

2歳10か月の男児。最近、聞こえが悪くなっていることを主訴に来院した。耳鏡検査で鼓膜の色調変化(黄色味)と内陥とを認める。上咽頭高圧エックス線写真(別冊No. 5)を別に示す。

診断に有用なのはどれか。

a.純音聴力検査

b.語音聴力検査

c.補充現象検査

d.自記オージオメトリ

e.インピーダンスオージオメトリ

小児の頭頸部側面の高圧エックス線写真。顔面は画像右向きで、上咽頭の後上壁付近に軟部陰影がみられる。
別冊No. 5 / 出典:厚生労働省・第103回E別冊(原本の該当ページ)

正答の理由

公式正答はeです。鼓膜の黄色味と内陥、聞こえの悪さは滲出性中耳炎を示します。日本耳科学会の2022年指針は、ティンパノメトリでB型が中耳貯留液の存在を示すとし、気密耳鏡とともに診断に使う検査と位置づけています。MSDマニュアルも、被検者の協力が要らず、小児の中耳貯留液の検査に広く使うとしています。2歳10か月では自覚応答の必要な検査は難しく、同指針も4歳以下では純音聴力検査の代わりに条件詮索反応聴力検査や遊戯聴力検査を必要に応じて行うとしています。

画像の見方

本解説の読影では、頭頸部側面像で頭蓋底の下方、上咽頭の後上部に軟部陰影があり、気道は狭めに見えます。アデノイド増殖を示唆する写真と考えられますが、印刷の画質が粗く、程度の断定はしません。

各選択肢の検討

a.純音聴力検査。誤り。難聴の程度と種類の評価には使いますが、本人の応答が必要で、この年齢には適しません。

b.語音聴力検査。誤り。言葉の聞き取りを本人が答える検査で、2歳児の中耳貯留液の診断には向きません。

c.補充現象検査。誤り。内耳性難聴の評価に用いる検査で、中耳貯留液の有無を調べるものではありません。

d.自記オージオメトリ。誤り。本人の応答操作を前提とする自覚的な検査で、幼児には実施が困難です。

e.インピーダンスオージオメトリ。正しい。協力を要さず、鼓膜と中耳の動きやすさから貯留液を推定できます。

覚えるポイント

幼児の滲出性中耳炎はティンパノメトリ(B型)。本人の応答がいらない検査を選ぶ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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