正常組織のCT値|第103回医師国家試験E28

第103回医師国家試験 E28(2009年)

正答:b

問題

成人男性の正常組織と CT 値(HU)の組合せで誤っているのはどれか。

a.肺 ── −950 HU

b.肝 ── −20 HU

c.筋肉 ── 50 HU

d.胆嚢 ── 0 HU

e.大動脈 ── 50 HU

正答の理由

CT値は水を0 HUとする尺度で、脂肪は負、空気の多い肺は大きな負の値になります。正常肝は単純CTで約60 HUと正の値なので、−20 HUとするbが明らかに誤りです。肺の−950 HUは正常範囲の下限で代表値としては低めですが、符号まで異なるbとは誤りの程度が違います。設問に造影の有無の記載はなく、ここでは単純CTの値として考えます。公式正答はbです。

各選択肢の検討

a.肺 ── −950 HU。選ばない肢。正常肺のCT値は−950〜−700 HUの範囲とされ、中央値は約−850 HU、平均は約−800 HUです。−950 HUはこの範囲の下限で、これ以下の領域は肺気腫の指標に使われるので代表値としては低めですが、範囲からは外れません。

b.肝 ── −20 HU。誤り。住民コホートのCTで肝全体の平均は約59 HUで、正の値です。−20 HUのような負の値は脂肪(−190〜−30 HU)に近い側の値で、正常肝の値ではありません。

c.筋肉 ── 50 HU。正しい。骨格筋のCT値は+50 HU付近にピークがあり、CT校正でも筋肉の目安は50 HUとされます。

d.胆嚢 ── 0 HU。正しい。胆汁は水に近い低い値です。胆嚢内胆汁で25 HU以上を異常とした研究や、非壊疽性胆嚢炎で中央値8.5 HUとした報告があります。正常胆汁の基準範囲そのものの資料ではありませんが、0 HUは水に近い値として説明できます。

e.大動脈 ── 50 HU。正しい範囲。単純CTの流れる血液は約40 HUとされ、大動脈が男性で50 HUを超えれば貧血なしを示すとする報告があるので、成人男性の単純CTの値として説明できます。

覚えるポイント

水0、脂肪は負、正常肝は約+60 HU、正常肺は約−850 HU。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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