第103回医師国家試験 E2(2009年)
正答:a
問題
膵液中の重炭酸イオンの分泌を刺激するのはどれか。
a.セクレチン
b.グルカゴン
c.ソマトスタチン
d.コレシストキニン
e.pancreatic polypeptide〈PP〉
正答の理由
十二指腸内のpHが下がると、粘膜のS細胞からセクレチンが放出されます。セクレチンは膵の導管細胞・腺房中心細胞に働き、cAMPを介して水分と重炭酸イオンに富む膵液を分泌させ、酸を中和します。酵素分泌の主な液性因子はコレシストキニンで、役割が異なります。公式正答はaです。
各選択肢の検討
a.セクレチン。正しい。導管・腺房中心細胞からの電解質分泌を刺激する主因子で、重炭酸イオン濃度を上昇させます。
b.グルカゴン。誤り。膵外分泌については、抑制性の膵内神経を介して分泌を間接的に抑えるペプチドの一つとされています。
c.ソマトスタチン。誤り。膵外分泌を抑制する側のペプチドで、重炭酸分泌の刺激因子ではありません。
d.コレシストキニン。誤り。腸相における酵素分泌の主な液性因子です。ヒトでは単独の導管分泌作用は弱く、セクレチンの作用を増強する位置づけです。
e.pancreatic polypeptide〈PP〉。誤り。ソマトスタチンと同様に、膵外分泌を間接的に抑制するペプチドです。
覚えるポイント
セクレチンは水・重炭酸(導管)、コレシストキニンは酵素(腺房)。ソマトスタチンとPPは抑制側。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Assessment of exocrine pancreatic function in children and adolescents with direct and indirect testing
- Molecular Mechanisms of Pancreatic Bicarbonate Secretion (Pancreapedia)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。