緊張病症候群|第103回医師国家試験D27

第103回医師国家試験 D27(2009年)

正答:d

問題

22歳の男性。発言にまとまりがないことを主訴に父親に伴われて来院した。視野に入る事物に関連付け「私は石だ。神をつくることができる」と言い、奇妙な姿勢のままブツブツとしゃべり続けた。しゃべっていたかと思うと、全く質問に答えず、身じろぎもせず一点をじっと見つめる状態となった。

考えられるのはどれか。

a.離人症

b.偽認知症

c.見当識障害

d.緊張病症候群

e.錐体外路症状

正答の理由

奇妙な姿勢の保持、質問に答えない無言、身じろぎしない不動、一点を見つめる凝視がそろっています。緊張病ではこれらの運動の乏しさや姿勢の異常が中心になり、公式正答はdです。意味のまとまらない発言も合わせると若年の統合失調症を背景に考えますが、緊張病は気分障害や身体疾患でも起こるため、原因の検索が必要です。多くは少量のベンゾジアゼピンに反応し、無効なら電気けいれん療法を考えます。

各選択肢の検討

a.離人症。誤り。自分の身体や精神から切り離されたように感じる体験です。姿勢保持や無動は説明できません。

b.偽認知症。誤り。うつ病で認知症のようにみえる状態で、精神運動の遅れや集中力の低下が目立ちます。本例の妄想様の発言と奇妙な姿勢は説明しません。

c.見当識障害。誤り。時間・場所・人の認識の障害ですが、本例の中心は運動と行動の異常です。問題文に見当識の評価はありません。

d.緊張病症候群。正しい。姿勢保持、無言、無動、凝視が緊張病の特徴です。統合失調症に限らず広く起こる症候群です。

e.錐体外路症状。誤り。抗精神病薬の副作用などで生じる運動の異常です。本例に服薬歴の記載はなく、緊張病の組み合わせの方が症状に合います。

覚えるポイント

姿勢保持+無言+無動+凝視は緊張病。統合失調症以外でも起こり、ベンゾジアゼピンが有効なことが多い。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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