第103回医師国家試験 D7(2009年)
正答:a・e
問題
頭部外傷患者5名の頭部単純CT(別冊No. 1①〜⑤)を別に示す。
頭蓋骨に骨折があるのはどれか。2つ選べ。
a.①
b.②
c.③
d.④
e.⑤

正答の理由
公式正答はa・eです。①は頭蓋骨の不連続と段差に加えて頭皮下と頭蓋内に気体があり、開放性を疑う骨折の所見です。⑤は凸レンズ状の高吸収域で硬膜外血腫の形をとります。硬膜外血腫は骨折をしばしば伴い、血腫の外側の骨に相当する白い帯の中には短い線状の低吸収があり、骨折線の候補です。ただし骨と血腫がともに白く飽和した脳条件の印刷で、血管溝などとの区別はできないため、⑤は血腫の形とこの線状影を合わせた判断です。実際の診断では骨条件で確認します。
画像の見方
①:画像右後方の頭蓋骨に骨片がずれたような段差と不連続があり、外側の頭皮下に腫脹と気泡、内側に黒い気体濃度を認める。②:画像右前方の前頭葉に高吸収域がある。③:大きな血腫はない。画像左側の頭蓋外縁に水平な直線状の段差があるが、内板側の輪郭はなめらかに連続し、気体や血腫を伴わない。同じ高さより上では皮膚の線も途切れており、印刷・画像処理上の欠けが疑われる。骨条件がないため断定はできない。④:脳溝やSylvius裂付近に淡い高吸収があり、画像左側の頭皮下に腫脹がある。⑤:画像右側に内腔へ凸の大きな凸レンズ状高吸収域があり、圧排所見を伴う。血腫の外側で骨に相当する白い帯の中に、短い斜めの線状低吸収がある(骨折線の候補)。骨と血腫がともに白く飽和しており、線の全長の追跡や血管溝との区別はできない。骨条件の画像は示されていない。
各選択肢の検討
a.①。正しい。頭蓋骨の段差と連続性の途絶が見え、周囲の気体も骨折を支持します。
b.②。誤り。前頭葉の高吸収域が主体で、公式正答では骨折例に含まれません。脳実質の損傷と骨折は別に評価します。
c.③。誤り。公式正答では骨折例に含まれません。画像左側の外縁に段差がありますが、水平な直線状で、内側の骨の輪郭はなめらかに連続し、周囲に気体や血腫もありません。骨折より印刷・画像処理上の欠けが疑われますが、骨条件がないので断定はできません。
d.④。誤り。脳溝周囲の淡い高吸収と頭皮下腫脹はありますが、明らかな骨の途絶は見えません。
e.⑤。正しい。凸レンズ状の高吸収域は硬膜外血腫の形で、頭蓋骨骨折の合併が多い病変です。血腫外側の骨の中に、骨折線の候補となる短い線状の低吸収があります。
覚えるポイント
骨折は段差・不連続・頭蓋内気体を探す。凸レンズ状の硬膜外血腫は骨折を伴いやすい。最終確認は骨条件で行う。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Traumatic Brain Injury (TBI) – Injuries; Poisoning – MSD Manual Professional Edition
- Neuroimaging in Traumatic Brain Imaging
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。