第103回医師国家試験 B45(2009年)
正答:b
問題
17歳の男子。複視を主訴に来院した。野球の試合中にボールが右眼に当たった。上方注視時に増強する複視と眼痛とを認める。
診断の確定に有用なのはどれか。
a.超音波検査
b.頭部単純 CT
c.骨シンチグラフィ
d.オルファクトメトリ
e.鼻腔ファイバースコピー
正答の理由
公式正答はbです。眼球への直接の打撃で眼窩内圧が上がり、薄い眼窩底が折れるのが吹き抜け骨折です。上方注視での複視と痛みは、下直筋や眼窩内組織の絞扼を疑わせます。骨折と上顎洞への内容物の脱出はCTで確認します。実際には眼窩を薄いスライスで撮り、冠状断で見るのが有用です。
各選択肢の検討
a.超音波検査。誤り。骨折の範囲と眼窩内容の脱出の評価にはCTを用います。
b.頭部単純CT。正しい。眼窩底の骨折と内容物の脱出を描出できます。
c.骨シンチグラフィ。誤り。外傷直後の骨折形態や絞扼を評価する検査ではありません。
d.オルファクトメトリ。誤り。嗅覚を測る検査で、複視の原因診断には使いません。
e.鼻腔ファイバースコピー。誤り。鼻腔内の観察が目的で、眼窩底の骨折や絞扼は評価できません。
覚えるポイント
眼球打撲+上方注視時の複視は吹き抜け骨折を疑い、CT(冠状断)で確認する。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Blunt orbital trauma
- Facial fractures: classification and highlights for a useful report
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。