右心不全と左心不全の徴候|第103回医師国家試験B21

第103回医師国家試験 B21(2009年)

正答:a

問題

右心不全の徴候でないのはどれか。

a.肺水腫

b.肝腫大

c.胸水貯留

d.下腿浮腫

e.頸静脈怒張

正答の理由

公式正答はaです。右心不全は体静脈のうっ滞による症候群で、下腿の圧痕浮腫、肝腫大、腹水、頸静脈圧の上昇がみられます。肺水腫は左室不全で肺静脈圧が上がって生じる所見です。右心不全の最多の原因は左心不全なので、実際の患者では両方の所見が混在し得ますが、右心不全そのものの徴候としては肺水腫を除きます。

各選択肢の検討

a.肺水腫。誤り(本問の答え)。左室不全で肺静脈圧が上昇して起こります。右心不全は体静脈側のうっ滞です。

b.肝腫大。右心不全の徴候。うっ血で腫大した肝を右肋骨弓下に触れ、拍動を伴うこともあります。

c.胸水貯留。公式では右心不全の徴候として扱われる肢(本問の答えではない)。心不全の胸水は両側が81%と多く、機序の説明は主に左室不全で、参照した右心不全の徴候一覧(MSD)にも胸水はありません。肺動脈性肺高血圧症147例の研究では31例に胸水があり、19例が右心不全によるとされ多くは少量でした。一方、右心不全だけで胸水が生じると言うにはデータ不足とする論評もあり、右心不全に特異的な徴候とは覚えません。

d.下腿浮腫。右心不全の徴候。足や足首の圧痕浮腫で、重症では大腿や仙骨部に広がります。

e.頸静脈怒張。右心不全の徴候。右房圧上昇を反映して頸静脈圧が上がります。

覚えるポイント

右心不全は体静脈うっ滞(浮腫・肝腫大・腹水・頸静脈怒張)、肺水腫は左心不全。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第103回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました