第103回医師国家試験 B14(2009年)
正答:d・e
問題
レニン分泌を促進するのはどれか。2つ選べ。
a.コルチゾールの増加
b.輸入細動脈圧の上昇
c.交感神経β受容体遮断
d.マクラデンサへの低クロール刺激
e.レニン・アンジオテンシン系の阻害
正答の理由
公式正答はd・eです。レニン分泌は、輸入細動脈壁の張力を感じる受容体、遠位尿細管のNaCl量を感じるマクラデンサ、アンジオテンシンIIの負のフィードバック、β受容体を介する交感神経の4機序で調節されます。マクラデンサに届くNaClの濃度とレニン分泌は逆の関係にあるので低クロール刺激は分泌を促し、アンジオテンシンIIの産生や作用を阻害する薬もレニン分泌を増やします。
各選択肢の検討
a.コルチゾールの増加。誤り。レニン分泌を調節する主要な4機序に含まれません。
b.輸入細動脈圧の上昇。誤り。血圧上昇で圧受容機構が働くとレニン放出は低下し、血圧低下で強く促進されます。
c.交感神経β受容体遮断。誤り。交感神経はβ受容体を介して分泌を促し、β受容体はレニンの基礎産生と刺激時の放出に重要なので、遮断は抑制の方向に働きます。
d.マクラデンサへの低クロール刺激。正しい。管腔のNaCl濃度が下がるとレニン分泌が増え、高クロールでは抑えられます。
e.レニン・アンジオテンシン系の阻害。正しい。アンジオテンシンIIの産生や作用を阻害する薬はレニン分泌を刺激します。アンジオテンシンIIの負のフィードバックが外れるためと理解します。
覚えるポイント
レニンを増やすのは腎灌流低下、マクラデンサへのNaCl低下、β刺激、RAS阻害。増えたアンジオテンシンIIは負に働く。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Hypertension – MSD Manual Professional Edition
- Renovascular Hypertension – MSD Manual Professional Edition
- 25.8 Endocrine Regulation of Kidney Function – Anatomy and Physiology 2e | OpenStax
- Convergence of major physiological stimuli for renin release on the Gs-alpha/cyclic adenosine monophosphate signaling pathway
- Tubular control of renin synthesis and secretion
- Ions and signal transduction in the macula densa(JCI)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。