第103回医師国家試験 A48(2009年)
正答:c
問題
14歳の女子。呼吸困難のため搬入された。母親と口論した後に胸内苦悶を訴え、次第に呼吸が荒くなった。不安様顔貌を示している。両手足のしびれを訴え、両手の手指は硬直している。
この患者でみられるのはどれか。
a.パルスオキシメトリは血液酸素飽和度の低下を示す。
b.血液生化学所見はLD〈LDH〉高値を示す。
c.血液ガス分析はアルカローシスを示す。
d.胸部エックス線写真は肺の過膨張を示す。
e.心エコー図は右心負荷を示す。
正答の理由
公式正答はcです。精神的な誘因の後の呼吸促迫、不安、手足のしびれ、手指の硬直は過換気症候群です。換気が過剰になってPaCO2が下がり、呼吸性アルカローシスになります。アルカローシスで蛋白結合が増えて遊離カルシウムが下がり、しびれやテタニーが出ます。ただし、肺塞栓も低酸素血症なしに過換気を起こすことがあるので、不安のせいと決めつけません。
各選択肢の検討
a.パルスオキシメトリは血液酸素飽和度の低下を示す。誤り。酸素飽和度は100%またはそれに近い値を示します。
b.血液生化学所見はLD〈LDH〉高値を示す。誤り。組織障害を示す病歴はなく、LD高値を期待する状況ではありません。
c.血液ガス分析はアルカローシスを示す。正しい。低CO2血症による呼吸性アルカローシスが本態です。
d.胸部エックス線写真は肺の過膨張を示す。誤り。胸部エックス線は通常正常です。過膨張は閉塞性肺疾患の所見です。
e.心エコー図は右心負荷を示す。誤り。右心負荷は肺塞栓などを示す所見で、過換気症候群の所見ではありません。
覚えるポイント
過換気症候群=SpO2保たれる・PaCO2低下・呼吸性アルカローシス・遊離Ca低下でテタニー。肺塞栓の除外を忘れない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- Hyperventilation Syndrome – MSD Manual Professional Edition
- Respiratory Alkalosis – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。