乳児の鼠径ヘルニア嵌頓|第103回医師国家試験A40

第103回医師国家試験 A40(2009年)

正答:c

問題

3か月の男児。嘔吐を主訴に来院した。全身状態は良好だが、機嫌が悪く啼泣を続けている。上腹部に異常を認めない。腹部の写真(別冊No. 13)を別に示す。

まず行うのはどれか。

a.腹部CT

b.注腸造影

c.用手還納

d.腫瘤の穿刺・吸引

e.血清CRP値の検査

別冊No.13の写真は、このページには掲載していません。厚生労働省・第103回A別冊(原本の該当ページ)で確認できます。

正答の理由

乳児の嘔吐と不機嫌に加え、写真では陰嚢が赤く大きく腫れています。鼠径ヘルニアの嵌頓を考えます。全身状態が良好なので、まず用手還納を試みます。嵌頓は緊急対応が必要で、腹腔鏡修復の文献レビューでは、嵌頓例の51.5%が用手還納ののち待機的に手術されています。公式正答はcです。還納できない場合や、腸管壊死・腹膜炎を疑う場合は緊急手術です。還納できない例には停留精巣の捻転などの類似疾患が含まれることがあり、超音波が役立ちます。

各選択肢の検討

a.腹部CT。誤り。診断は診察が基本で、必要なら超音波を使います。乳児にCTを先行させて処置を遅らせません。

b.注腸造影。誤り。腸重積の検査と治療で、陰嚢の腫大の説明になりません。

c.用手還納。正しい。用手で腹腔内へ戻し、整復後に手術を計画します。

d.腫瘤の穿刺・吸引。誤り。内容が腸管の可能性があり、穿刺は腸管損傷の危険があるので行いません。

e.血清CRP値の検査。誤り。炎症の指標で嵌頓の解除には役立たず、処置を遅らせます。

覚えるポイント

乳児の嘔吐・不機嫌では陰嚢・鼠径部を必ず見る。全身状態が良い嵌頓はまず用手還納、無理なら緊急手術。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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