第103回医師国家試験 A13(2009年)
正答:c・d・e
問題
正しいのはどれか。3つ選べ。
a.レセルピンは躁状態を起こす。
b.抗ヒスタミン薬は焦燥感を起こす。
c.抗Parkinson病薬はせん妄を起こす。
d.インターフェロンはうつ状態を起こす。
e.副腎皮質ステロイドは気分変調を起こす。
正答の理由
厚生労働省のマニュアルは、うつ病を起こしやすい薬としてインターフェロン製剤と副腎皮質ステロイド薬を挙げています。抗Parkinson病薬のレボドパなどはせん妄や幻覚の原因になります。レセルピンは起こすなら躁ではなくうつ状態です。公式正答はc・d・eです。なおbは出題上は誤りの扱いですが、抗ヒスタミン薬の逆説的興奮は実際に記載があり、臨床で否定される現象ではありません。
各選択肢の検討
a.レセルピンは躁状態を起こす。誤り。レセルピンの精神症状として問われるのはうつ状態で、方向が逆です。
b.抗ヒスタミン薬は焦燥感を起こす。公式正答ではない。第一世代の主な中枢作用は鎮静で、代表的な副作用も眠気です。ただし一部の患者では神経過敏、落ち着きのなさ、焦燥を伴う逆説的興奮が起こり得るとされ、本肢が医学的にあり得ないわけではありません。本問は3つ選ぶ形式なので、より確立したc・d・eを選びます。
c.抗Parkinson病薬はせん妄を起こす。正しい。レボドパの副作用に、錯乱を伴うせん妄、精神病症状、幻視が挙げられています。幻覚や妄想は高齢者や認知障害のある患者に多くみられます。
d.インターフェロンはうつ状態を起こす。正しい。薬剤惹起性うつ病の代表的な原因薬です。
e.副腎皮質ステロイドは気分変調を起こす。正しい。うつ病を起こしやすい薬として知られ、抑うつ状態のほか躁状態も生じ得ます。
覚えるポイント
インターフェロンとステロイドはうつ、抗Parkinson病薬はせん妄、レセルピンは躁でなくうつ。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第103回医師国家試験問題および正答
- 重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤惹起性うつ病(厚生労働省、平成20年6月、令和4年2月時点修正)
- Parkinson Disease – Neurology – MSD Manual Professional Edition
- Overview of Allergic and Atopic Disorders – Allergy and Immunology – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。