大動脈弁閉鎖不全症の身体所見|第103回医師国家試験A6

第103回医師国家試験 A6(2009年)

正答:c・e

問題

大動脈弁閉鎖不全症でみられるのはどれか。2つ選べ。

a.奇脈

b.Ⅰ音の亢進

c.脈圧の増大

d.Ⅱ音の固定性分裂

e.to and fro murmur

正答の理由

慢性の大動脈弁閉鎖不全症では拡張期に血液が左室へ戻り、収縮期血圧が上がって拡張期血圧が下がるため脈圧が増大します。雑音は高調の拡張期漸減性雑音が基本で、前方への駆出血流と逆流が重なると往復雑音(to and fro murmur)として聴取されます。公式正答はc・eです。

各選択肢の検討

a.奇脈。誤り。吸気時に収縮期血圧が10mmHgを超えて下がる所見で、心タンポナーデに伴う代表所見です。COPDや喘息などでもみられます。

b.Ⅰ音の亢進。誤り。慢性例のⅠ音は正常で、急性例ではむしろ聴取しにくくなります。

c.脈圧の増大。正しい。慢性例が進行すると収縮期血圧の上昇と拡張期血圧の低下で脈圧が開きます。

d.Ⅱ音の固定性分裂。誤り。心房中隔欠損症の所見です。大動脈弁閉鎖不全症のⅡ音は分裂しない大きな音として記載されます。

e.to and fro murmur。正しい。駆出と逆流の両方向の血流による往復性の雑音です。

覚えるポイント

ARは脈圧増大と拡張期漸減性雑音。奇脈はタンポナーデ、Ⅱ音固定性分裂はASD。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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