低身長をきたす疾患と骨年齢|第102回医師国家試験I22

第102回医師国家試験 I22(2008年)

正答:b・e

問題

骨年齢が遅延するのはどれか。2つ選べ。

a.Turner症候群

b.甲状腺機能低下症

c.Prader-Willi症候群

d.偽性副甲状腺機能低下症

e.成長ホルモン分泌不全性低身長症

正答の理由

公式正答はbとeです。甲状腺ホルモンと成長ホルモンはいずれも骨端軟骨の成熟を進めるホルモンで、不足すると身長の伸びだけでなく骨の成熟そのものが遅れ、骨年齢が暦年齢より明らかに遅延します。一方、偽性副甲状腺機能低下症1a型のように骨端が早期に閉鎖して低身長となる病態では、骨年齢はむしろ進みます。

各選択肢の検討

a.Turner症候群。誤り。低身長は主要な特徴ですが、その成因はX染色体短腕(Xp22.33)にあるSHOX遺伝子の欠失に伴う骨格の発育異常で、甲状腺ホルモンや成長ホルモンの不足による骨成熟の遅れとは機序が異なります。治療も成長ホルモンと、卵巣機能不全に対するエストロゲン補充が中心です。

b.甲状腺機能低下症。正しく、これが正答の一つ。小児に特有の徴候として成長障害、骨成熟の遅延(delayed skeletal maturation)、思春期の遅れが挙げられています。

c.Prader-Willi症候群。誤り。乳児期の筋緊張低下と哺乳不良、幼児期以降の過食と肥満が中核で、成長ホルモン分泌不全を伴って低身長となります。一方で早発アドレナーキ(premature adrenarche)の合併が多く、副腎アンドロゲンの早期上昇により陰毛発来が早まって骨年齢はむしろ進むと報告されており、骨年齢が遅延する疾患ではありません。

d.偽性副甲状腺機能低下症。1a型(Albright遺伝性骨異栄養症)では骨端の早期閉鎖による短指症(brachydactyly type E)が主徴で、骨年齢はむしろ進みます。国際コンセンサスでは1a型の70〜80%で骨年齢が暦年齢より2.0 SDを超えて進んでいると記載されています。

e.成長ホルモン分泌不全性低身長症。正しく、これが正答の一つ。骨成熟は暦年齢より2年以上遅れるとされ、診断の目安にも「骨年齢が年齢平均より2 SDを超えて低い」ことが挙げられています。

覚えるポイント

骨年齢が明らかに遅れるのは甲状腺ホルモンと成長ホルモンが足りないとき。偽性副甲状腺機能低下症1a型は逆に骨年齢が進み、短指症をきたす。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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