疾患と感覚障害の組合せ|第102回医師国家試験I19

第102回医師国家試験 I19(2008年)

正答:b・e

問題

組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。

a.脊髄癆 ―――― 全感覚鈍麻

b.脊髄空洞症 ―――― 宙吊り型感覚障害

c.前脊髄動脈症候群 ―――― 深部感覚障害

d.筋萎縮性側索硬化症 ―――― 触覚障害

e.糖尿病性ニューロパチー ―――― 手袋・靴下型感覚障害

正答の理由

公式正答はb・eです。脊髄空洞症は脊髄中心部に空洞を生じて中心性脊髄症候群をきたし、肩から上肢・背部にかけての「ケープ状(宙吊り型)」の痛覚・温度覚障害が特徴で、触覚・位置覚・振動覚は保たれます。糖尿病で最も多い対称性多発ニューロパチーは足と手の遠位、すなわち手袋・靴下型の分布を示します。

各選択肢の検討

a.脊髄癆 ―――― 全感覚鈍麻。誤り。脊髄癆は後索と後根が緩徐に変性する晩期神経梅毒で、下肢の振動覚・位置覚の消失と腱反射消失、電撃痛、失調歩行、Romberg徴候が特徴です。全感覚が一様に鈍麻するわけではありません。

b.脊髄空洞症 ―――― 宙吊り型感覚障害。正しい。肩・上肢・背部のケープ状分布に痛覚・温度覚障害が出る一方、触覚と位置覚・振動覚は侵されない解離性感覚障害を示します。

c.前脊髄動脈症候群 ―――― 深部感覚障害。誤り。前脊髄動脈領域の梗塞では痛覚・温度覚が強く障害される一方、後索が伝える位置覚・振動覚と多くの場合触覚は比較的保たれます(前脊髄症候群)。

d.筋萎縮性側索硬化症 ―――― 触覚障害。誤り。ALSでは感覚系・意識・認知・随意的眼球運動・性機能・膀胱直腸の括約筋は通常保たれ、診断は「明らかな感覚異常を伴わない上位・下位運動ニューロン障害」から疑います。

e.糖尿病性ニューロパチー ―――― 手袋・靴下型感覚障害。正しい。最も多い対称性多発ニューロパチーは足と手の遠位(手袋・靴下型分布)を侵し、異常感覚や触覚・振動覚・位置覚・温度覚の低下をきたします。

覚えるポイント

解離性感覚障害の向きで覚える。脊髄空洞症=ケープ状の痛温覚障害、前脊髄動脈症候群=痛温覚障害で深部感覚温存、脊髄癆=深部感覚障害、ALS=感覚は正常。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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