第102回医師国家試験 I18(2008年)
正答:d
問題
骨癒合が得られにくいのはどれか。
a.上腕骨外科頸骨折
b.橈骨遠位端骨折
c.中手骨骨折
d.大腿骨頸部骨折
e.大腿骨骨幹部骨折
正答の理由
公式正答はdです。MSDは大腿骨頸部(骨頭下)骨折の合併症として大腿骨頭の骨壊死と骨折の偽関節(nonunion)を挙げ、骨折がしばしば大腿骨頭への血行を絶つため骨壊死のリスクが高まると述べています。合併症は高齢者の転位型でより多くなります。他の4つの骨折では、MSDの該当項に主要な合併症として偽関節は挙げられていません。
各選択肢の検討
a.上腕骨外科頸骨折。誤り。大半は転位・屈曲が軽度で、1パート骨折の65〜80%は三角巾などによる固定と早期可動域訓練で治療され、約80%は三角巾のみで足ります。
b.橈骨遠位端骨折。誤り。MSDが挙げる合併症は関節のこわばり、変形の遺残、疼痛、変形性関節症、複合性局所疼痛症候群などで、偽関節は主要な合併症として挙げられていません。
c.中手骨骨折。誤り。中手骨頸部骨折の記載で問題になるのは回旋変形や、拳で口腔を殴った際の人咬傷による感染で、偽関節ではありません。
d.大腿骨頸部骨折。正しい。関節包内骨折で、骨折により大腿骨頭への血行が絶たれやすく、大腿骨頭壊死と偽関節が合併症として挙げられています。
e.大腿骨骨幹部骨折。誤り。強い外力による骨折で出血量が多く治療は牽引副子と観血的整復固定術ですが、MSDの該当項に偽関節は主要な合併症として挙げられていません。
覚えるポイント
関節包内で血行が乏しい部位(大腿骨頸部、手舟状骨、距骨など)は骨壊死・偽関節を起こしやすい。転位型・高齢者で合併症が増える。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Hip Fractures – Injuries; Poisoning – MSD Manual Professional Edition
- Proximal Humeral Fractures – Injuries; Poisoning – MSD Manual Professional Edition
- Distal Radius Fractures – Injuries; Poisoning – MSD Manual Professional Edition
- Metacarpal Neck Fractures – Injuries; Poisoning – MSD Manual Professional Edition
- Femoral Shaft Fractures – Injuries; Poisoning – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。