Werdnig-Hoffmann病(脊髄性筋萎縮症Ⅰ型)|第102回医師国家試験I15

第102回医師国家試験 I15(2008年)

正答:a

問題

Werdnig-Hoffmann病について正しいのはどれか。

a.知能は正常である。

b.高CK血症を呈する。

c.常染色体優性遺伝である。

d.病初期から心不全を呈する。

e.四肢遠位部の筋力低下から始まる。

正答の理由

公式正答はaです。Werdnig-Hoffmann病は脊髄性筋萎縮症〈SMA〉Ⅰ型(乳児型)で、第5染色体長腕のSMN1遺伝子の常染色体劣性変異により下位運動ニューロンが変性します。生後6か月ごろまでに筋緊張低下・腱反射減弱消失・舌の線維束性収縮・哺乳と嚥下の困難が現れ、やがて呼吸不全に至ります。知能は障害されないとされ、SMAの小児・青年は一般に正常範囲の知能をもつと総説でまとめられています。

各選択肢の検討

a.知能は正常である。正しい。総説では、SMAの小児・青年の全般的知能は正常範囲にあり、運動の障害を認知面の獲得で補う傾向があるとされています。ただし近年はSMAⅠ型で重度の認知障害を合併した症例報告もあり、全例で保たれると断定はできません。

b.高CK血症を呈する。誤り。SMAでは血清酵素(CK、アルドラーゼ)がわずかに上昇することがある程度で、著明な高CK血症は本症の特徴ではありません。確定診断は遺伝子検査によります。

c.常染色体優性遺伝である。誤り。SMAは通常、第5染色体長腕のSMN1遺伝子の常染色体劣性変異(多くはエクソン7のホモ接合欠失)によります。

d.病初期から心不全を呈する。誤り。Ⅰ型の死因は通常、呼吸不全です。心奇形を伴うのは出生前発症のSMA0型で、Ⅰ型の病初期の主徴ではありません。

e.四肢遠位部の筋力低下から始まる。誤り。SMAの臨床像は筋緊張低下と左右対称性の近位筋優位の筋力低下・萎縮で、遠位から始まるものではありません。

覚えるポイント

SMAⅠ型=常染色体劣性(SMN1)、フロッピーインファント、近位筋優位、舌の線維束性収縮、呼吸不全で死亡。知能とCKは一般に保たれる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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