四肢麻痺をきたす脳出血の部位|第102回医師国家試験I13

第102回医師国家試験 I13(2008年)

正答:a

問題

脳出血で四肢麻痺をきたす可能性があるのはどれか。

a.橋出血

b.被殻出血

c.視床出血

d.小脳出血

e.尾状核出血

正答の理由

公式正答はaです。原発性橋出血はしばしば高度の意識障害・眼球運動障害・四肢麻痺(tetraparesis)・呼吸不全を生じると報告されています。MSDも、橋の出血または梗塞による脳卒中が四肢麻痺をきたし、閉じ込め症候群の典型的な原因になるとしています。一方、大脳半球の出血は反対側の片麻痺をきたし、後頭蓋窩の出血は小脳症状や脳幹症状をきたすというのがMSDの整理で、脳出血のなかで左右の運動路をまとめて障害しうるのは脳幹(橋)の出血です。

各選択肢の検討

a.橋出血。正しい。原発性橋出血は高度の意識障害、眼球運動障害、四肢麻痺、呼吸不全をしばしば生じると報告されており、橋の出血・梗塞は四肢麻痺を伴う閉じ込め症候群の典型的な原因でもあります。縮瞳(pinpoint pupil)や昏睡を伴う例は予後不良です。

b.被殻出血。誤り。被殻は高血圧性脳出血の最好発部位ですが、大脳半球の出血として反対側の片麻痺をきたします。

c.視床出血。誤り。大脳基底核・視床は脳出血の好発部位ですが、生じるのは反対側の片麻痺・感覚障害であり、四肢麻痺ではありません。

d.小脳出血。誤り。後頭蓋窩の出血として小脳症状(運動失調など)をきたし、血腫が3cmを超えると正中偏位やヘルニア、第4脳室閉塞による急性水頭症を起こします。片麻痺・四肢麻痺が主徴ではありません。

e.尾状核出血。誤り。大脳半球深部の出血で、脳室穿破による頭痛や意識障害を生じうるものの、左右の運動路を同時に障害する部位ではありません。

覚えるポイント

四肢麻痺を出すのは両側の下行路をまとめて巻き込む脳幹(特に橋)。大脳半球の出血は反対側の片麻痺、小脳出血は失調と急性水頭症。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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