高ナトリウム血症をきたす病態|第102回医師国家試験I7

第102回医師国家試験 I7(2008年)

正答:c

問題

血清ナトリウム値が160mEq/lの場合に考えられるのはどれか。

a.Addison病

b.心因性多尿

c.中枢性尿崩症

d.甲状腺機能低下症

e.ネフローゼ症候群

正答の理由

公式正答はcです。血清ナトリウム145mEq/L超は高ナトリウム血症で、総体内ナトリウムに対して水が不足した状態を意味します。MSDは、ほぼ純粋な水の欠乏が生じる病態としてアルギニンバソプレシン欠乏症(旧称・中枢性尿崩症)とアルギニンバソプレシン抵抗症(旧称・腎性尿崩症)を挙げています。他の4つはいずれも低ナトリウム血症の原因として挙げられている病態です。

各選択肢の検討

a.Addison病。誤り。副腎不全はMSDで低ナトリウム血症の原因に挙げられており、160mEq/Lという高値の説明になりません。

b.心因性多尿。誤り。原発性多飲は腎の水排泄能を超える大量の飲水により低ナトリウム血症を起こす病態です。

c.中枢性尿崩症。正しい。バソプレシンの欠乏で腎が水を再吸収できず、ほぼ純粋な水が失われるため高ナトリウム血症になります。口渇機構の障害や自分で飲水できない状況が加わると顕著になります。

d.甲状腺機能低下症。誤り。MSDでは水排泄障害による等容量性低ナトリウム血症の原因として挙げられています。

e.ネフローゼ症候群。誤り。体液量が増加する浮腫性疾患として低ナトリウム血症の側に分類されます(高脂血症による偽性低ナトリウム血症にも注意します)。

覚えるポイント

高Na血症=水の欠乏。尿崩症と「飲めない・口渇を感じない」状況を考える。Addison病・甲状腺機能低下症・ネフローゼ・心因性多飲は低Na血症側。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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