結核性髄膜炎を支持する髄液所見|第102回医師国家試験G51

第102回医師国家試験 G51(2008年)

正答:c・e

問題

60歳の男性。意識障害のため搬入された。5日前から頭痛、嘔吐および発熱を訴えていた。意識は混濁。体温38.2℃。項部硬直を認める。顔面筋と四肢筋との麻痺はない。深部腱反射は正常で、病的反射は認めない。脳脊髄液所見:外観は軽度キサントクロミー。初圧200mmH2O(基準70〜170)。細胞数250/μl(すべてリンパ球)(基準0〜2)。蛋白180mg/dl(基準15〜45)。糖25mg/dl(基準50〜75)。

結核性髄膜炎を考えたが、その有力な根拠になる髄液所見はどれか。2つ選べ。

a.外観

b.初圧値

c.細胞の数と種類

d.蛋白値

e.糖値

正答の理由

MSDは結核性髄膜炎の髄液所見として「リンパ球優位の混合性細胞増多」「糖低値」「蛋白高値」を挙げ、最初に現れる髄液異常が著しい低糖であることもあると記しています。本例は細胞数250/μlがすべてリンパ球、糖25 mg/dl(基準50〜75)で、この2つが結核性髄膜炎を支持する核心の所見です。細胞増多がありながら糖が下がるという組合せが決め手になります。これに対し初圧200 mmH2Oの上昇、蛋白180 mg/dlの上昇、軽度のキサントクロミーは髄膜炎で広くみられ、原因を絞る力は弱いものです。公式正答はc・eです。

各選択肢の検討

a.外観。誤り。軽度のキサントクロミーは髄液蛋白が高いときなどにみられ、MSDが結核性髄膜炎の特徴として挙げる所見には含まれていません。

b.初圧値。誤り。200 mmH2Oの上昇は髄膜炎であれば原因を問わず生じ、結核性を支持する根拠にはなりません。

c.細胞の数と種類。正しい。MSDは結核性髄膜炎の髄液をリンパ球優位の細胞増多と記しており、250/μlがすべてリンパ球という所見は結核性を支持します。

d.蛋白値。誤り。MSDは結核性髄膜炎で蛋白高値をみるとしていますが、蛋白の上昇は細菌性など他の髄膜炎でも生じるため、単独では決め手になりません。

e.糖値。正しい。MSDは結核性髄膜炎の髄液所見に低糖を挙げ、最初の異常が著しい低糖であることもあるとしています。糖25 mg/dl(基準50〜75)の低下は、リンパ球優位の細胞増多と組み合わさって結核性を強く支持します。

覚えるポイント

リンパ球優位の細胞増多+糖低下+蛋白高値=結核性髄膜炎。細胞の種類と糖値の組合せが鑑別の核になる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

第102回の一覧へ戻る

タイトルとURLをコピーしました