一日中の屋外曝露後に生じた両眼の点状表層角膜症|第102回医師国家試験G43

第102回医師国家試験 G43(2008年)

正答:e

問題

25歳の男性。流涙と眼瞼腫脹とを主訴に救急外来を受診した。早朝から海釣りに行き、一日中、晴天下の洋上にいた。帰宅して午後11時を過ぎたころから両眼の痛みが現われ次第に増強してきた。流涙、両眼眼瞼腫脹および結膜の充血があり、眼を開けられなくなった。細隙灯顕微鏡検査で両眼に点状表層角膜症がみられる。

原因で最も考えられるのはどれか。

a.異物

b.細菌

c.脱水

d.赤外線

e.紫外線

正答の理由

MSDは紫外線角膜炎について、波長300 nm未満の紫外線Bが角膜を熱傷させて角膜炎・角結膜炎を起こすこと、溶接アーク、高電圧の火花、人工太陽灯、高地の雪面反射が原因になること、症状は曝露から8〜12時間たって現れ24〜48時間続くこと、流涙・疼痛・発赤・眼瞼腫脹・羞明・頭痛・異物感・視力低下を伴うこと、診断は病歴と点状表層角膜症の存在、および異物や感染がないことで行うことを記しています。本例は早朝から一日中、晴天下の洋上で紫外線を浴び、十数時間後の深夜に両眼の疼痛・流涙・眼瞼腫脹・結膜充血が出現し、両眼に点状表層角膜症を認めており、この記載とよく一致します。公式正答はeです。

各選択肢の検討

a.異物。誤り。MSDは紫外線角膜炎の診断を、異物がないことを確かめたうえで行うとしています。異物では通常片眼で、曝露の直後から症状が出ます。

b.細菌。誤り。MSDが挙げる点状表層角膜症の原因に細菌はなく、紫外線角膜炎の診断は感染がないことを確かめて行うとされています。両眼同時に十数時間で発症した経過も細菌感染らしくありません。

c.脱水。誤り。MSDが挙げる点状表層角膜症の原因(ウイルス性結膜炎、眼瞼炎、乾性角結膜炎、トラコーマ、化学熱傷、紫外線曝露、コンタクトレンズの過用、全身・局所薬の毒性、顔面神経麻痺)に脱水は含まれません。

d.赤外線。誤り。MSDが角膜を熱傷させるとしている波長は紫外線B(300 nm未満)で、赤外線ではありません。

e.紫外線。正しい。晴天下の洋上という強い紫外線曝露、曝露から十数時間後の発症、両眼の疼痛・流涙・眼瞼腫脹と点状表層角膜症という組合せが、MSDの記す紫外線角膜炎の像に一致します。

覚えるポイント

晴天下の長時間の屋外曝露→8〜12時間後に両眼の強い痛み・流涙・眼瞼腫脹+点状表層角膜症=紫外線角膜炎。症状は24〜48時間続き、永続的な視力低下はまれ。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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