第102回医師国家試験 G35(2008年)
正答:a・d
問題
消化管内視鏡による治療が適応となるのはどれか。2つ選べ。
a.食道静脈瘤
b.胃悪性リンパ腫
c.進行大腸癌
d.総胆管結石
e.胆囊結石
正答の理由
内視鏡が診断の道具にとどまらず治療手段そのものになる疾患を選ぶ問題です。MSDは食道・胃静脈瘤の治療を「内視鏡的結紮術(硬化療法は第2選択)とオクトレオチド静注」と記し、内視鏡処置が治療の中心であるとしています。総胆管結石についても、胆道閉塞が疑われれば内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)と乳頭切開で結石を除去する必要があり、成功率は95%を超えると記しています。残る3つは内視鏡では根治治療にならず、外科切除や薬物療法が主体です。公式正答はa・dです。
各選択肢の検討
a.食道静脈瘤。正しい。MSDは静脈瘤の治療を内視鏡的結紮術(バンド結紮)と薬物療法とし、硬化療法を第2選択としています。内視鏡そのものが止血・再出血予防の治療手段です。
b.胃悪性リンパ腫。誤り。MSDが挙げる非Hodgkinリンパ腫の治療は経過観察・化学療法・放射線治療・抗体療法・移植などで、内視鏡は生検による診断の手段であり切除治療の対象ではありません。
c.進行大腸癌。誤り。MSDは大腸癌の根治治療の柱を「腫瘍のある腸管区域と所属リンパ流域の外科的切除」としており、進行癌は内視鏡切除の適応外です。
d.総胆管結石。正しい。MSDは胆道閉塞が疑われる場合にERCPと乳頭切開で結石を除去する必要があるとし、取り出しにくい結石には内視鏡的砕石も挙げています。
e.胆囊結石。誤り。MSDは「症状のある胆石症は胆囊摘出術で治療する」としており、胆囊内の結石を内視鏡で取り除くことはできません。
覚えるポイント
内視鏡が治療そのものになるのは食道静脈瘤(結紮術)と総胆管結石(ERCP+乳頭切開)。進行癌・悪性リンパ腫・胆囊結石は外科や薬物療法が主体。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Varices – Gastroenterology – MSD Manual Professional Edition
- Choledocholithiasis and Cholangitis – Hepatology – MSD Manual Professional Edition
- Cholelithiasis – Hepatology – MSD Manual Professional Edition
- Colorectal Cancer – Oncology – MSD Manual Professional Edition
- Non-Hodgkin Lymphomas – Oncology – MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。