第102回医師国家試験 G29(2008年)
正答:b
問題
慢性GVHDの標的臓器となりにくいのはどれか。
a.肺
b.心臓
c.肝臓
d.皮膚
e.唾液腺
正答の理由
慢性GVHDは皮膚・消化管・骨・内分泌系・性機能・眼を侵し、肺病変も生じます。慢性GVHD患者695例のコホートでは、採血時点の臓器病変は皮膚67%、口腔60%、眼49%、関節34%、消化管31%、肺23%、肝17%で、心臓は評価対象の臓器に含まれていません。臓器別の治療指針も皮膚・筋膜、眼、肝、肺(閉塞性細気管支炎症候群)について示されており、心臓は含まれません。公式正答はbです。
各選択肢の検討
a.肺。誤り(標的となる)。閉塞性細気管支炎症候群として現れ、進行性の気流閉塞と線維化を示す、慢性GVHDで最も治療に難渋する病型の一つとされます。
b.心臓。正しい(なりにくい)。慢性GVHDの臓器別評価や臓器別治療の対象に心臓は含まれません。慢性GVHD患者で晩期心血管イベントが2.5倍に増えるとの報告はありますが、直接の標的臓器としては扱われません。
c.肝臓。誤り(標的となる)。ALP・γ-GTP上昇を示す胆汁うっ滞型として現れ、ウルソデオキシコール酸と副腎皮質ステロイドが第一選択とされます。
d.皮膚。誤り(標的となる)。上記コホートで67%と最も頻度が高く、炎症型(紅斑・丘疹)と硬化型(線維化・モルフェア・筋膜炎)があります。
e.唾液腺。誤り(標的となる)。口腔病変は60%にみられ、濾胞ヘルパーT細胞が皮膚とともに唾液腺に集簇することが知られています。
覚えるポイント
慢性GVHDの標的は皮膚・口腔(唾液腺)・眼・肝・肺・消化管・関節。心臓は標的臓器に入らない。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Plasma proteins associated with chronic graft-versus-host disease organ involvement
- Chronic graft-versus-host disease: Update on pathobiology, biomarkers, and evolving treatment algorithms
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。