BT-PABA試験(膵外分泌機能検査)で異常値となる病態|第102回医師国家試験G18

第102回医師国家試験 G18(2008年)

正答:d

問題

BT-PABA試験で異常値とならないのはどれか。

a.慢性腎不全

b.Crohn病

c.肝硬変

d.胆嚢癌

e.慢性膵炎

正答の理由

BT-PABA(ベンチロミド)は吸収されない合成ペプチドで、小腸上部で膵キモトリプシンにより分解されてp-アミノ安息香酸(PABA)を遊離します。遊離PABAは小腸で吸収され、肝で代謝を受けて腎から尿中に出るため、尿中PABAを指標とする本試験は膵外分泌能だけでなく腸・肝・腎の機能が正常であることを前提とします。したがって慢性膵炎(膵外分泌低下)、Crohn病(小腸の吸収障害)、肝硬変(肝での代謝障害)、慢性腎不全(尿排泄低下)ではいずれも異常値をとりえます。胆嚢癌はこの経路のどこにも直接関与しません。公式正答はdです。

各選択肢の検討

a.慢性腎不全。誤り(異常値となりうる)。尿中PABA回収率を指標とする検査であり、腎機能が低下すると膵外分泌が保たれていても低値になります。

b.Crohn病。誤り(異常値となりうる)。Crohn病は回腸を中心に小腸を侵して吸収障害をきたすため、小腸で吸収されるPABAの回収が減ります。

c.肝硬変。誤り(異常値となりうる)。吸収されたPABAは肝で代謝されてから尿中に出るため、肝疾患では生体内変換やクリアランスが変化して判定に影響します。

d.胆嚢癌。正しい。膵酵素の分泌、小腸でのPABA吸収、肝での代謝、腎からの排泄のいずれにも直接関与しないため、本試験は異常値となりません。

e.慢性膵炎。誤り(異常値となる)。BT-PABA(NBT-PABA)試験は膵外分泌不全をみる間接的膵機能検査として位置づけられており、慢性膵炎では低値となります。

覚えるポイント

BT-PABAは「膵キモトリプシン→小腸吸収→肝代謝→腎排泄」の全経路をみる検査。胆道系だけの病変では異常にならない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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