溶血が検査値に与える影響|第102回医師国家試験G13

第102回医師国家試験 G13(2008年)

正答:b・e

問題

検体が溶血を起こしたとき、検査値が大きく変化するのはどれか。2つ選べ。

a.総蛋白

b.カリウム

c.クレアチニン

d.クレアチンキナーゼ〈CK〉

e.乳酸デヒドロゲナーゼ〈LDH〉

正答の理由

公式正答はb・eです。溶血は赤血球が壊れて内容物が血漿へ出る現象なので、赤血球内に高濃度に含まれる成分が偽性に上昇します。ALT・AST・尿素窒素・LDH・マグネシウム・リン・カリウムがその代表として挙げられ、溶血の程度を上げたときの偏りが大きい順はLDH・尿酸・AST・総ビリルビンと報告されています。カリウムとリンは濃度依存の非直線的な正の偏りを示します。これに対しアルブミン・ナトリウム・総蛋白・コレステロールのように主に細胞外にある項目は、偏りが小さいか直線的にわずかに増えるだけとされます。

各選択肢の検討

a.総蛋白。誤り。主に細胞外に存在する項目で、溶血による偏りは小さいか直線的なわずかな増加にとどまるとされます。

b.カリウム。正しい。赤血球内に高濃度に含まれ、溶血で放出されて偽性に上昇する代表的な項目で、濃度依存の非直線的な正の偏りを示します。

c.クレアチニン。誤り。赤血球内に高濃度に含まれる項目として挙げられておらず、48項目を調べた実測研究では溶血によって逆にわずかに低く出る側に分類されています。

d.クレアチンキナーゼ〈CK〉。公式正答ではない。赤血球内に高濃度に含まれて溶血で放出される成分の列挙にCKは入っていません。ただし48項目の実測研究ではCKにも有意な正の干渉が報告されており、溶血検体でまったく影響を受けないわけではない点は留保します。

e.乳酸デヒドロゲナーゼ〈LDH〉。正しい。赤血球内に高濃度に含まれ、溶血の影響を受ける度合いが最も大きい項目として筆頭に挙げられています。

覚えるポイント

溶血で偽性に上がるのは赤血球内に多い成分(K・LDH・AST・ALT・リン・マグネシウム)。総蛋白やナトリウムなど細胞外成分への影響は小さい。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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