第102回医師国家試験 G11(2008年)
正答:d
問題
8か月児に認められる反射はどれか。
a.背反射
b.Moro反射
c.手掌把握反射
d.パラシュート反射
e.非対称性緊張性頸反射
正答の理由
公式正答はdです。パラシュート反射(前方パラシュート反応)は原始反射が消えたあとに出現する姿勢反応で、近満期児484例(在胎35週0日〜36週6日)を1年間追った縦断研究では、完全な前方パラシュート反応を示した児は生後3か月で2%、6か月で19%、9か月で59%、12か月で77%と、生後6〜9か月にかけて成立していきます。他の4肢は新生児期から乳児前半にみられ、生後数か月で消えていく原始反射です。
各選択肢の検討
a.背反射。誤り。脊髄に沿って一側をなでると刺激側へ体幹が側屈するGalant反射(背反射)で、通常生後6か月までに統合されて消えます。
b.Moro反射。誤り。仰臥位から半ば座位へ引き起こして頭を落とすと上肢が外転・伸展する反射で、生後6〜8か月ころまでに消失するとされます。8か月で残っていても「この時期に認められる反射」として選ぶものではありません(消失時期の記載には資料により幅があります)。
c.手掌把握反射。誤り。手掌把握反射と探索(ルーティング)反射は早期に、生後2〜3か月ころに消失するとされます。
d.パラシュート反射。正しい、これが正答。生後6〜9か月にかけて成立する姿勢反応で、9か月では約6割の児に完全型が確認されたと報告されています。
e.非対称性緊張性頸反射。誤り。生後6か月までに消失するとされます。
覚えるポイント
原始反射(把握・探索は2〜3か月、Galant・非対称性緊張性頸反射は6か月、Moroは6〜8か月で消失)が消える時期に、パラシュート反射などの姿勢反応が出てくる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Development of the forward parachute reaction and the age of walking in near term infants: a longitudinal observational study
- The Key Aspects of Neonatal and Infant Neurological Examination: The Ballard Score, the Infant’s Head with Hydrocephalus and Assessment in a Clinical Setting
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。