急性左心不全に特徴的な徴候|第102回医師国家試験G8

第102回医師国家試験 G8(2008年)

正答:d

問題

急性左心不全に特徴的な徴候はどれか。

a.胸痛

b.腹水

c.顔面浮腫

d.夜間呼吸困難

e.Kussmaul徴候

正答の理由

公式正答はdです。発作性夜間呼吸困難は、臥床して数時間後に呼吸困難で目が覚め、起き上がって15〜20分してようやく軽快するもので、心不全が進むと起坐呼吸とともにみられる症状とされます。臥位で肺へ戻る血液が増えて肺静脈のうっ血が強まるために生じる、左心系のうっ血を反映した所見です。

各選択肢の検討

a.胸痛。誤り。原因疾患(心筋梗塞など)によってはみられますが、左心不全そのものに特徴的な徴候ではありません。

b.腹水。誤り。右心不全で中心静脈圧の上昇が肝臓へ伝わるうっ血肝では腹水を生じうるとされ、体静脈系のうっ血を示す所見です。

c.顔面浮腫。誤り。これも体静脈系のうっ血でみられる所見で、慢性心不全で典型的な浮腫は足首や足背です。

d.夜間呼吸困難。正しい、これが正答。臥床の数時間後に呼吸困難で覚醒し、座位をとって15〜20分でようやく軽快するもので、肺静脈圧上昇を反映します。

e.Kussmaul徴候。誤り。吸気時に頸静脈の怒張と静脈圧の上昇が起こる所見で、収縮性心膜炎でみられ心タンポナーデでは欠けるとされる、右心系の拡張障害の徴候です。

覚えるポイント

左心不全は肺静脈うっ血(労作時呼吸困難・起坐呼吸・発作性夜間呼吸困難)、右心不全は体静脈うっ血(浮腫・頸静脈怒張・肝腫大・腹水)。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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