第102回医師国家試験 F24(2008年)
正答:a
問題
45歳の女性。3週前からの抑うつ気分と自責感とを主訴に来院した。
診断に重要な症候はどれか。
a.不眠
b.食欲亢進
c.皮膚瘙痒感
d.下肢脱力感
e.不正性器出血
正答の理由
抑うつ気分と自責感(無価値感や過剰な罪責感)が3週続いており、うつ病を考える場面です。MSDが示す大うつ病性障害の診断項目は、抑うつ気分、興味・喜びの著しい減退、体重や食欲の変化、不眠または過眠、精神運動の焦燥または制止、易疲労感・気力減退、無価値感や罪責感、思考力・集中力の低下、死や自殺についての反復的な思考の9つで、このうち5つ以上が同じ2週間にほぼ毎日存在し、少なくとも1つは抑うつ気分か興味・喜びの減退であることが必要です。選択肢のうちこの診断項目に当たるのは不眠だけで、公式正答はaです。
各選択肢の検討
a.不眠。正しい。大うつ病性障害の診断項目の一つで、うつ病では睡眠維持の障害が多いとされます。
b.食欲亢進。誤り。診断項目は食欲の増加と減少の両方を含みますが、食欲亢進と過眠は非定型の特徴として挙げられる所見で、単独では診断の手がかりになりにくく、aに劣ります。
c.皮膚瘙痒感。誤り。うつ病の診断項目ではありません。
d.下肢脱力感。誤り。全身の易疲労感・気力減退とは別で、局所の脱力はむしろ神経・筋疾患を考える所見です。
e.不正性器出血。誤り。婦人科疾患を考える所見で、うつ病の診断項目ではありません。
覚えるポイント
うつ病の診断は抑うつ気分・興味喪失を軸に、睡眠・食欲・精神運動・気力・罪責感・集中力・希死念慮の9項目で確かめる。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。