近代外科学の父(医学史)|第102回医師国家試験F15

第102回医師国家試験 F15(2008年)

正答:c

問題

「治すこと時々、和らげることしばしば、慰めることいつも」との名言を遺した近代外科学の父と呼ばれているのは誰か。

a.Hippocrates(ヒポクラテス)

b.Robert Koch(ロベルト・コッホ)

c.Ambroise Parē(アンブロワズ・パレ)

d.Claude Bernard(クロード・ベルナール)

e.Edward Jenner(エドワード・ジェンナー)

正答の理由

アンブロワズ・パレ(1510年頃−1590年)は16世紀フランスの軍医で、近代外科学の創始者と広くみなされています。銃創に熱した油を注ぐ当時の処置をやめ、切断時には焼灼ではなく絹糸による血管結紮を用いるなど、戦場での経験に基づいて治療法を改めました。公式正答はcです。なお設問の名言がパレ本人の言葉であるかどうかは、今回確認した文献では裏づけられませんでした。

各選択肢の検討

a.Hippocrates(ヒポクラテス)。誤り。古代ギリシアの医師であり、16世紀に成立した近代外科学の創始者ではありません。

b.Robert Koch(ロベルト・コッホ)。誤り。ドイツの細菌学者で、1882年に結核菌を発見・記載し、1905年に結核に関する研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。外科学の確立者ではありません。

c.Ambroise Parē(アンブロワズ・パレ)。正しい。フランスの軍医で、近代外科学の創始者と広く評価されています。焼灼に代えて絹糸による血管結紮を用いるなど、経験に基づく治療法を確立しました。なお原本の活字は「Parē」(eにマクロン)で印刷されていますが、歴史上の標準的な綴りは「Paré」です。

d.Claude Bernard(クロード・ベルナール)。誤り。19世紀フランスの生理学者で、「内部環境(milieu intérieur)」とその恒常性という概念を提唱し、近代生理学の基礎を築きました。

e.Edward Jenner(エドワード・ジェンナー)。誤り。1796年に牛痘の材料を少年に接種し、世界で初めてワクチンを実証した医師です。予防接種の創始者であって外科学の父ではありません。

覚えるポイント

近代外科学の父はAmbroise Paré。Kochは結核菌、Jennerは種痘、Bernardは内部環境、Hippocratesは古代ギリシアの医師。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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