第102回医師国家試験 F13(2008年)
正答:d
問題
肥満患者の減量に対する支援効果が最も期待できるのはどれか。
a.減量するまで通院間隔を延ばす。
b.体重が減らない理由を問いただす。
c.できるだけ高い目標を設定させる。
d.体重が少しでも減少したことを褒める。
e.減量に失敗して落胆した自分を想像させる。
正答の理由
MSDマニュアルは肥満の行動療法として、支援、セルフモニタリング、ストレス管理、随伴性マネジメント、問題解決、刺激統制法を挙げ、随伴性マネジメントでは望ましい行動に報酬を与え「言葉での報酬(称賛)も有用となることがある」としています。厚生労働省の保健指導プログラムも「対象者の日常の努力や取組を確認し、評価する」ことを手順に挙げています。小さな成果を認めて褒めることが行動の継続につながります。公式正答はdです。
各選択肢の検討
a.減量するまで通院間隔を延ばす。誤り。肥満は生涯にわたる治療とフォローアップを要する慢性疾患と位置づけられており、受診の機会を減らすことは支援の中断になります。
b.体重が減らない理由を問いただす。誤り。MSDマニュアルは、肥満を自己管理能力の欠如による外見の問題とみなさず慢性疾患として扱い、レッテル貼りを避けることが継続的な受療につながるとしています。保健指導でも生活習慣の背景にある本人の思いや考えに配慮することが求められます。
c.できるだけ高い目標を設定させる。誤り。減量は5〜10%でも健康状態の改善につながるとされ、生活に即した実行可能な目標を立てるのが原則です。達成困難な目標は挫折を招きます。
d.体重が少しでも減少したことを褒める。正しい。随伴性マネジメントとして望ましい行動に報酬を与える方法があり、称賛という言葉での報酬も有用とされています。保健指導でも日常の努力や取組を確認し評価することが挙げられています。
e.減量に失敗して落胆した自分を想像させる。誤り。失敗を想起させて不安をあおる方法は、MSDマニュアルが挙げる行動療法の手法に含まれていません。自己効力感を下げ、受診からの離脱を招きかねません。
覚えるポイント
減量支援は小さな成果を認めて褒め、実行可能な目標を立て、継続して関わるのが基本。叱責や高すぎる目標は逆効果。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。