第102回医師国家試験 F12(2008年)
正答:d
問題
腰椎穿刺で誤っているのはどれか。
a.側臥位で行う。
b.頸、背中、腰および膝を屈曲させる。
c.第3〜4腰椎棘突起間を穿刺する。
d.針先は尾側へ向ける。
e.終了後安静を指示する。
正答の理由
MSDマニュアルは、腰椎穿刺針をL3/4またはL4/5椎間に刺入し、針は臍に向けて頭側(rostrally)へ向けると記載しています。尾側へ向けるのは誤りです。公式正答はdです。
各選択肢の検討
a.側臥位で行う。正しい。MSDマニュアルは通常は左側臥位で行うとし、体位が保てない場合などにはベッドサイドテーブルに前かがみになる坐位も用いるとしています。
b.頸、背中、腰および膝を屈曲させる。正しい。協力が得られる患者には膝を抱えてできるだけ強く丸くなってもらいます。脊柱を屈曲させて棘突起間を広げるためです。
c.第3〜4腰椎棘突起間を穿刺する。正しい。MSDマニュアルはL3/4またはL4/5椎間に刺入するとしており、L4棘突起は左右の上後腸骨棘を結ぶ線上にあるとしています。脊髄円錐より尾側で安全です。
d.針先は尾側へ向ける。これが誤りで、本問の正答。MSDマニュアルは針を臍に向けて頭側へ向けると記載しています。腰椎の棘突起が下方に傾いているため、尾側に向けると骨に当たって進みません。
e.終了後安静を指示する。本問では誤りとされていない(公式正答はd)。MSDマニュアルは、終了後に穿刺部を滅菌の絆創膏で覆うこと、約10%に硬膜穿刺後頭痛が生じうることを記載しています。ただし臥床安静そのものに硬膜穿刺後頭痛を防ぐ効果があるかどうかは、今回確認した資料では評価できていません。
覚えるポイント
腰椎穿刺は側臥位で体を丸め、L3/4またはL4/5から臍に向けて頭側へ針を進める。尾側へは向けない。
出典・参考資料
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。