初期の褥瘡(仙骨部の紅斑)への処置|第102回医師国家試験E45

第102回医師国家試験 E45(2008年)

正答:b・d

問題

70歳の男性。2か月前から脳梗塞のため入院し寝たきりになっている。清拭時、仙骨部に境界明瞭な紅斑がみられた。

まず行う処置はどれか。2つ選べ。

a.消毒

b.体位変換

c.切開処置

d.除圧処置

e.抗菌薬投与

正答の理由

寝たきりの患者の仙骨部という骨突出部に生じた境界明瞭な紅斑で、皮膚は破れていません。MSDマニュアルはステージ1の褥瘡を「骨突出部上の、皮膚が保たれたまま退色しない紅斑」と記載しています。治療・予防の基本として、定期的な体位変換・適切な支持面の使用・摩擦と湿潤の軽減による圧の軽減を標準的な選択肢に挙げ、「頻回の体位変換(および適切な体位の選択)が圧の軽減を保つうえで最も重要な因子である」と述べています。したがってまず行うのは体位変換と除圧で、公式正答はb、dです。

各選択肢の検討

a.消毒。誤り。MSDはヨード・過酸化水素・次亜塩素酸ナトリウムなどの消毒薬は健常な肉芽組織や角化細胞を傷害しうるため一般に避けるべきであるとしています。

b.体位変換。正しい。MSDは頻回の体位変換が圧の軽減を保つうえで最も重要な因子であると明記しています。

c.切開処置。誤り。皮膚が破れていない紅斑の段階であり、切開の対象となる創や膿瘍はありません。

d.除圧処置。正しい。適切な支持面の使用や摩擦・湿潤の軽減を含む圧の軽減が、褥瘡の標準的な治療・予防です。

e.抗菌薬投与。誤り。MSDが全身抗菌薬の適応としているのは蜂窩織炎・菌血症・骨髄炎であり、感染徴候のない紅斑には用いません。

覚えるポイント

骨突出部の退色しない紅斑はステージ1の褥瘡。まずすべきは体位変換と除圧で、消毒薬や全身抗菌薬はこの段階では使わない。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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