体温測定の部位と必要な計測時間|第102回医師国家試験E35

第102回医師国家試験 E35(2008年)

正答:c

問題

体温測定を行うのに最も長い計測時間が必要な部位はどれか。

a.鼓膜

b.口腔

c.腋窩

d.膀胱

e.直腸

正答の理由

腋窩は体腔の中ではなく、皮膚どうしを合わせて熱をためる部位なので、温度が平衡に達するまでに時間がかかります。健常日本人成人を対象にした予測式電子体温計の研究は、この機器が「10分間の平衡腋窩温」を予測することで測定時間を短くしていると述べており、腋窩温が平衡に達するには10分を要することが前提になっています。MSDマニュアルは、口腔と直腸は現在は電子体温計で測り、前額と鼓膜は赤外線走査装置で測ると述べ、古い水銀体温計のほうが平衡に時間がかかるとしています。集中治療の総説は、赤外線鼓膜体温計が低侵襲で繰り返し測れる方法であること、膀胱温は尿量モニタリングのために留置したカテーテルから連続して得られる中枢温の指標であることを挙げています。したがって5つのうち計測に最も長い時間が要るのは腋窩で、公式正答はcです。ただし5部位の所要時間を同一条件で直接比較した資料は見つかっておらず、この順位づけは各部位の測定法についての上記の記載からの推論です。

各選択肢の検討

a.鼓膜。誤り。鼓膜温は赤外線センサーで測る方法が一般的で、低侵襲で繰り返し測定できる方法として挙げられています。長い計測時間は要しません。

b.口腔。誤り。口腔温は現在は電子体温計で測るのが標準で、MSDが「測定時間が足りないと低く出る」例として挙げるのは水銀体温計で数分を要する場合です。腋窩の平衡時間10分より短くなります。

c.腋窩。正しい。腋窩は皮膚面を閉じて熱をためる部位で、平衡腋窩温に達するまで10分を要するとされ、5つの部位の中で計測時間が最も長くなります。

d.膀胱。誤り。膀胱温は尿道留置カテーテルのプローブから連続的に得られる中枢温の指標で、1回ごとに長時間待つ測り方ではありません。

e.直腸。誤り。直腸温も電子体温計やプローブ留置で測られ、集中治療では連続測定の基準としても使われます。腋窩のように平衡まで10分待つ必要はありません。

覚えるポイント

腋窩温は平衡に達するまで約10分かかり、赤外線で測る鼓膜や、プローブを留置して連続測定する膀胱・直腸より計測時間が長い。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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