第102回医師国家試験 E32(2008年)
正答:d
問題
脳死判定の必須項目でないのはどれか。
a.深昏睡
b.平坦脳波
c.脳幹反射の消失
d.脊髄反射の消失
e.自発呼吸の消失
正答の理由
臓器の移植に関する法律施行規則第2条第2項は、確認すべき状態として(1)深昏睡(2)瞳孔が固定し瞳孔径が左右とも4mm以上(3)脳幹反射(対光・角膜・毛様脊髄・眼球頭・前庭・咽頭・咳)の消失(4)平坦脳波(5)自発呼吸の消失を挙げ、一定時間をあけて再確認するとしています(第6号は、眼球損傷などで第2号・第3号が確認できないときに脳血流の消失をみるという条件付きの項目です)。脊髄反射は項目に含まれず、脳死でも脊髄由来の運動が観察されることがあります。公式正答はdです。なお、再確認までの間隔を6歳未満で24時間とする規定は平成21年の法改正を受けて加わったもので、出題当時(2008年)には置かれていませんでしたが、上の5つの確認項目は当時から変わっていません。
各選択肢の検討
a.深昏睡。誤り(必須項目である)。施行規則第2条第2項第1号の項目で、同条第1項が深昏睡をJCS300かつGCS3の状態と定義しています。
b.平坦脳波。誤り。同項第4号の確認項目です。
c.脳幹反射の消失。誤り。同項第3号で、対光・角膜・毛様脊髄・眼球頭・前庭・咽頭・咳反射の消失を確認します。
d.脊髄反射の消失。正しい(必須項目でない)。規則の確認項目に入っておらず、脳死の診断基準でも観察された動きが脊髄反射で説明できることが前提とされています。
e.自発呼吸の消失。誤り。同項第5号で、他の項目を確認した後に無呼吸テストで確認します。
覚えるポイント
法的脳死判定は深昏睡・瞳孔固定(両側4mm以上)・脳幹反射消失・平坦脳波・自発呼吸消失の5項目。脊髄反射は残りうる。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- 臓器の移植に関する法律施行規則(平成9年厚生省令第78号)第2条(e-Gov法令検索)
- Brain Death(MSD Manual Professional Edition)
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。