第102回医師国家試験 E1(2008年)
正答:c・e
問題
吸収障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
a.空腸切除 ――――― ビタミンB12
b.回盲部切除 ――――― 鉄
c.Crohn病 ――――― 胆汁酸
d.潰瘍性大腸炎 ――――― アミノ酸
e.慢性膵炎 ――――― 脂肪
正答の理由
公式正答はc・eです。胆汁酸は回腸末端で約95%が再吸収されるため、回腸末端を侵すCrohn病では胆汁酸の吸収障害が起こります。膵外分泌不全ではリパーゼとプロテアーゼの欠乏により、蛋白・糖質よりも脂肪の吸収障害が強く出ます。
各選択肢の検討
a.空腸切除 ――――― ビタミンB12。誤り。ビタミンB12は回腸末端(遠位回腸)で吸収され、欠乏は遠位回腸や胃の広範切除、盲管症候群で起こります。空腸切除では通常問題になりません。
b.回盲部切除 ――――― 鉄。誤り。鉄は十二指腸と空腸上部で吸収されます。回盲部切除で問題になるのは鉄ではなく、回腸末端で吸収されるビタミンB12と胆汁酸です。
c.Crohn病 ――――― 胆汁酸。正しい。回腸末端のCrohn病や同部位の広範切除では胆汁酸吸収障害が生じ、コレスチラミンの治療的試用やSeHCAT検査で確かめます。
d.潰瘍性大腸炎 ――――― アミノ酸。誤り。潰瘍性大腸炎は直腸から連続する大腸粘膜・粘膜下層の病変で、アミノ酸は小腸で吸収されるため、本症によるアミノ酸吸収障害は成立しません。
e.慢性膵炎 ――――― 脂肪。正しい。膵外分泌不全では蛋白・糖質より脂肪の吸収障害が強く、脂肪便と脂溶性ビタミン(A・D・E・K)欠乏を伴います。
覚えるポイント
吸収部位で覚える。鉄は十二指腸〜空腸上部、ビタミンB12と胆汁酸は回腸末端、脂肪の消化は膵リパーゼ。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Overview of Malabsorption
- Chronic Pancreatitis
- Iron Deficiency Anemia
- Crohn Disease
- Ulcerative Colitis
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。