肛門疾患|第102回医師国家試験D13

第102回医師国家試験 D13(2008年)

正答:c または e(公式正答値表で正答1=c、正答2=e。いずれか一つを選べば正解)

問題

正しいのはどれか。

a.肛門周囲膿瘍は切開で治癒する。

b.成人の痔瘻は自然治癒することが多い。

c.嵌頓のない内痔核では肛門痛はない。

d.外痔核では見張りいぼ〈sentinel skin tag〉がみられる。

e.慢性裂肛は6時方向に多い。

正答の理由

設問は「正しいのはどれか。」の単一選択ですが、第102回の正答値表はこの問題に正答1=C、正答2=Eを示しており、cとeのいずれを選んでも正解とされています。内痔核は歯状線より口側にあり、血栓性外痔核ほどの痛みは伴いません(ただし不快感はありえます)。裂肛は後正中に生じるのが通常ですが、前正中に生じることもあります。c・eはいずれもこうした例外を含む記述です。どちらの肢がどの理由で許容されたかを示す個別の一次通知は公表されておらず、本稿では推測を書きません。

各選択肢の検討

a.肛門周囲膿瘍は切開で治癒する。誤り。速やかな切開排膿は必須ですが、排膿後に痔瘻をきたすことがあり、切開だけで治癒するとは限りません。

b.成人の痔瘻は自然治癒することが多い。誤り。痔瘻の治療は瘻管切開術・括約筋温存術などの手術が必要になることが多く、自然治癒は期待できません。

c.嵌頓のない内痔核では肛門痛はない。公式正答の一つ。内痔核は排便時の出血や脱出が主症状で、血栓性外痔核ほどの痛みはありません。ただし不快感を訴えることはあります。

d.外痔核では見張りいぼ〈sentinel skin tag〉がみられる。誤り。見張りいぼは慢性裂肛の肛門側にできる皮垂で、外痔核の所見ではありません。

e.慢性裂肛は6時方向に多い。公式正答の一つ。裂肛は後正中(砕石位で6時方向)に生じるのが通常で、前正中にもみられます。正中から外れた裂肛はCrohn病など特定の原因を考えます。

覚えるポイント

裂肛は後正中(6時)で見張りいぼを伴う。内痔核は出血・脱出が主で痛みは軽い。肛門周囲膿瘍は切開排膿後に痔瘻へ移行しうる。

出典・参考資料

問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。

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