第102回医師国家試験 C6(2008年)
正答:c
問題
障害を受けると嗄声をきたすのはどれか。
a.顔面神経
b.舌咽神経
c.迷走神経
d.副神経
e.舌下神経
正答の理由
嗄声は声帯(声帯ヒダ)の運動障害で生じます。声帯麻痺は疑核、その上位路、迷走神経本幹、反回神経のいずれかの病変で起こるとされ、喉頭の運動は迷走神経(第X脳神経)とその枝である反回神経が支配します。公式正答はcです。
各選択肢の検討
a.顔面神経。誤り。顔面神経(第VII脳神経)の障害では顔面の筋力低下が現れます。喉頭の運動は支配しないため嗄声の原因になりません。
b.舌咽神経。誤り。舌咽神経(第IX脳神経)は迷走神経とともに軟口蓋の挙上や咽頭反射で評価する神経で、声帯の運動は担いません。
c.迷走神経。正しい。迷走神経本幹や、その枝である反回神経の障害で声帯麻痺となり嗄声をきたします。咽頭反射と軟口蓋挙上が正常で嗄声だけがみられるときは、縦隔リンパ腫や大動脈瘤など反回神経を圧迫する病変を探します。
d.副神経。誤り。副神経(第XI脳神経)は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配し、肩の挙上などで評価します。
e.舌下神経。誤り。舌下神経(第XII脳神経)は舌の運動を支配し、障害では舌の萎縮・線維束性攣縮・病側への偏位がみられます。
覚えるポイント
嗄声は声帯麻痺を疑い、迷走神経と反回神経の走行(頸部・縦隔・大動脈弓・甲状腺)に沿って原因を探す。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Vocal Fold Paralysis|MSD Manual Professional Edition
- How To Assess the Cranial Nerves|MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。