第102回医師国家試験 C5(2008年)
正答:b
問題
幻覚を認めないのはどれか。
a.せん妄
b.うつ病
c.統合失調症
d.覚醒剤依存症
e.アルコール依存症
正答の理由
せん妄、統合失調症、覚醒剤(アンフェタミン類)の使用、アルコール依存の離脱期は、いずれも幻覚を特徴的に伴います。これに対しうつ病の中核症状は抑うつ気分・興味や喜びの消失・精神運動の変化などで、幻覚は含まれません。5肢のうち幻覚を特徴としないのはうつ病で、公式正答はbです。ただし「精神病性の特徴を伴う」重症のうつ病では妄想や幻覚がみられることがあり、絶対に生じないという意味ではありません。
各選択肢の検討
a.せん妄。誤り。せん妄の患者は幻覚・妄想・被害念慮を示すことがあり、幻覚は典型的な症状です。
b.うつ病。正しい(公式正答)。うつ病の基本症状に幻覚は含まれません。ただし精神病性の特徴を伴う重症例では、罪業妄想や非難する声の幻聴を認めることがあります。
c.統合失調症。誤り。妄想・幻覚・まとまりのない思考などの精神病症状が中核で、幻覚は代表的な症状です。
d.覚醒剤依存症。誤り。アンフェタミン類の使用では幻覚や妄想が出現し、使用を続けると遷延・悪化することがあります。
e.アルコール依存症。誤り。大量飲酒を急にやめた後12〜24時間でアルコール幻覚症がみられ、重症の離脱(振戦せん妄)でも幻覚を伴います。
覚えるポイント
幻覚は意識障害(せん妄)・精神病性障害・物質関連障害でまず考える。うつ病は原則として幻覚を伴わないが、精神病性うつ病は例外。
出典・参考資料
- 厚生労働省:第102回医師国家試験問題および正答
- Depressive Disorders|MSD Manual Professional Edition
- Delirium|MSD Manual Professional Edition
- Schizophrenia|MSD Manual Professional Edition
- Amphetamines|MSD Manual Professional Edition
- Alcohol Toxicity and Withdrawal|MSD Manual Professional Edition
問題と正答の出典は厚生労働省です。解説は本サイトが作成した学習用の解説で、厚生労働省の公式解説ではありません。出題時点の設問に沿って説明しています。